音楽ファンはかつて、ロックのアルバムには悪魔やバンドメンバーの死に関する暗号メッセージが隠されていると信じていた。
一方、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation:EFF)によれば、最近のデジタル音楽の中には、隠された秘密データが非常に簡単に見つかるという。ネット上のプライバシー侵害などの問題に取り組むEFFは、iTunesの楽曲のなかに顧客情報が埋め込まれているとして、Appleを非難している。
EFFの顧問弁護士Fred von Lohmann氏によると、iTunesで購入した楽曲ファイルには、顧客の氏名と電子メールアドレスが埋め込まれているという。デジタル著作権管理(DRM)技術を用いない「iTunes Plus」サービスをAppleが提供し始めると、これらに組み込まれた情報について報じる記事が先週数カ所の技術系ブログに掲載された。
iPodを紛失したり、盗まれたりした場合、こうした個人データが危険にさらされると、Von Lohmann氏は指摘する。
von Lohmann氏は、「クレジットカード番号を紛失するほどの危険はないが、このような情報が知らないうちに流れ出ているのは、気持ちのいいことではない」と述べる。
Appleは、顧客情報を露出している理由を明らかにしていない。しかし、観測筋のあいだではAppleが音楽ファイルに透かし技術を組み込んでいるのでは、と推測する人もいる。透かし技術とは、音楽データなどに他の情報を埋め込むことによって、ファイルをトラッキングした可能にする技術のこと。プライバシー保護団体はこのような手法にまゆをひそめるが、von Lohmann氏はこれがAppleの意図によるものではないと考えている。
Yankee Group ResearchのアナリストMike Goodman氏は、透かし技術の方が「DRM技術よりよい」と主張する。
Goodman氏は、「透かし技術は、消費者を犯罪者扱いしない。DRMは、楽曲を再生できる回数とか、再生可能なデバイスを制限する。しかし、透かし技術は、消費者を善として扱いながら、音楽業界にルール違反者を捕まえるチャンスを提供する」と語っている。
iTunesの楽曲内に個人情報があることは、Ars TechnicaとTuawも報じている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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