深水:好きな事をやってるから、ビジネスにならないってことにはならないですよね。もしならなさそうなら、それをみんなでアレンジして商売にすればいいだけで。それにもともとみんなの発想が、ビジネス向きですしね。
竹中:立派な体勢を整えてコケちゃったらイタいじゃないですか。僕ら技術者の場合は、面白そうなアイデアを考えて適当にやって、ダメだったらそのままフリーズさせたり、趣味の領域に入れてしまうことも可能なわけです。その辺に、ラボっぽい領域が残っているかもしれません。
でもやっぱり、世界に通用するような検索エンジンサービスをきちんと育ててらればいいなと思っています。愛国者でもなんでもないですけど、グーグルにやられっぱなしでしょ。なので、もっと技術者は増やしたいです。粘り強い人、執念深い人、バグが出たら歯ぎしりして悔しがる人を募集しています。
深水:ただちょっと楽観的すぎる気もするけどね。好きな事やったらお金ついてくると本気で思っているから。これから先はわからないよ。
竹中:そうだった。やりたい事がどんどんでかくなっているから。
深水:そうですね。ただ、今後、営業チームを入れたとしても、開発部門とバッティングしちゃう可能性があるので、完全に会社を分けることも考えています。
竹中:未来営業ブラジル(笑)。
竹中:インターネットの開発者の世界って狭いんですよ。「ブラジル」の場合は会社になりましたが、ノリが同じような人が集まって、「なんか一緒にやりましょうよ」というところから始まることが多いんです。
竹中:あのね、金に汚くない人。それと一緒にご飯を一緒に食べたときに不快じゃない人。ホントにそういうことなんですよ!
深水:それって重要なことですよ。
竹中:事業を始めると、人間性や価値観に立ち入らないと、話をひっぺがせなくなることって多いんですよ。
たとえば、資金が焦げ付いた場合、「今まで投資した1000万円をどうしてくれるんだ?」とか言われてしまうとイヤな気持ちになりますね。技術者は、動いているお金よりはるかに巨大な無償の投資を目に見えないかたちでしているわけです。「俺の無償の投資を、家賃代やマシン代なんかと天秤にかけるのか!」と。そういう人が必要だというのはわかるんですけど、微力ながら世の中を変えて行こうと思うときには、お金が最初にあるんじゃなくて、面白さが先にたつべきだと思うんです。
ただし、それを実現するためにお金を使うってのはアリだとも思っています。たとえば上場企業ならフリーパスなのに、単なる有限会社だと、すごい変な審査とかあったりするわけですよ。高級レストランに半ズボンで入れないのと同じです。
竹中:はい。なので「もしいま、総理大臣が半ズボンで来たら店に入れないのか?」って問いただしたら、「入れません」っていうから、仕方なく、僕のために集まってくれていた友人20人に、その店から出て来てもらって別の店に行ったんです。ただ、もう30代後半なので、そういうことはやめました。お互いに気の毒なことをしなければいけないんだったら、僕が長ズボンをはけばいんだと…。
竹中:違いますよ。単に合理性がないものに対して嫌な気持ちがするだけです。
深水:でも無難に生きようとしてないよね(笑)。
深水:モリタポという通貨システムがせっかくあるわけだから、もっと有料コンテンツを盛り上げていきたい。ネットで文章を書いたりデジタルコンテンツを作る人たちって、稼ぐ手段がまだなかなかないんです。「ブラジル」の技術や力があれば、デジタルコンテンツを有料で使ってもらえるシステムができるんじゃないかと思っています。
深水:有料コンテンツって出す方がびびっているだけで、意外といけるんです。有料化を検討しつつ足踏みしている他社にも踏ん切りをつかせられるような、意外なサービスをつくりたいですね。
深水:ひろゆきの熱が冷めたみたいで言わなくなったよね。
竹中:リオのカーニバルが終わったからかな。僕だけ行ってこようかな。『未来世紀ブラジル』のモデルになった首都のブラジリアには行きたいんですが、そこって何もないみたいなんですよね(笑)。
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