ボネージ、新規顧客獲得活動の許可を求めて再び法廷へ

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、小林理子、編集部2007年04月24日 21時48分
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 IP電話サービスのVonageは、通信大手Verizon Communicationsに敗れた特許訴訟において上訴を求めるとともに、その間の新規顧客獲得を可能にするために、再び法廷の場に立とうとしている。

 両社の特許訴訟は、3月にVerizon勝訴の判決が下っている。バージニア州東部地区連邦地裁の陪審は5800万ドルの損害賠償金を支払うようVonageに命じ、担当判事の下した差止め命令は、執行されれば、Vonageが新たな顧客を獲得することが不可能になるものだった。

 その後、米連邦控訴裁判所は米国時間4月6日、禁止命令の執行を一時猶予することを認めた。Vonageは、同社が上訴手続きを進める間、この一時猶予を恒久的なものにするよう裁判所に訴えるものと見られる。

 VonageとVerizonは24日、ワシントンDCで開かれる米連邦巡回控訴裁判所の場で、それぞれの主張を口頭で述べる。Vonageの主張は、禁止命令の執行猶予が認められなければ、上訴している間に会社の存続が危うくなるというものだ。一方、Verizonは、猶予の継続を許せば、Vonageが特許の侵害を続けることによって損害はさらに拡大すると主張することになるだろう。

 Vonageの関係者によると、裁判所は早ければ24日中にも執行猶予を恒久的なものにするかどうかの判断を下す可能性があるという。

 Vonageは、恒久的な猶予が認められ、最終的には特許訴訟の上訴審で勝訴することを確信しているという発言を繰り返している。また、Verizonの特許を侵害しないような、代替技術による問題解決に取り組んでいるとも述べている。

 禁止命令の恒久的執行猶予が認められなければ、Vonageの先行きは不確かなものになる。1つには、Verizonの特許を侵害しない回避策が実現できるまでにどれくらいの期間が必要なのか不明だからだ。

 American Technology ResearchのアナリストAlbert Lin氏は次のように述べている。「私は一時的猶予は実効がないと思う。打撃の程度は、猶予期間がどれだけの間認められるかで大部分決まってしまうだろう。期間に関しては裁判所は予想外の判断をすることがあり、さまざまな状況で解決に必要な時間が十分与えられるとは必ずしも期待できない」(Lin氏)

 Vonageは、4月に入って連邦控訴裁判所に提出済みの書類の中で、Verizonの特許を技術的に回避する方法を開発するのは困難かもしれないという見通しを述べている。回避策が見つからない限り、一時猶予が期限切れとなれば、すでに平均を上回る顧客解約率に苦しんでいるVonageが、220万を上回る現在の顧客ベースに新たな顧客を加えることができなくなる。これはどんなサービスプロバイダーにとっても、壊滅的打撃になりかねない状況だ。

 反対に、禁止命令の執行の恒久的な猶予を勝ち取ることができれば、Vonageは顧客や投資家たちに対して、上訴審で戦いながらこの難局を乗り切れると保証することができる。Vonageが上訴審で勝利する可能性は高いと見る法律の専門家も複数いる。

 これらの専門家は、裁判所はVerizonの特許を広く解釈しすぎていると考えている。Vonageが侵害したとされている特許のうち2件は、Vonageの顧客からの通話を一般電話回線利用者に接続するために、IPアドレスを電話番号に変換する技術に関するものだ。あとの1件は、標準的なWi-Fi機器など到達距離の短い無線ネットワークを利用したVoIP通話に関する特許だ。

 Vonageの法律問題はすでに同社に損害を与えている。4月12日、Vonageは、Michael Snyder氏が同社最高経営責任者(CEO)の職から退任し、同社創業者で取締役会長のJeffrey Citron氏が同氏の職務を引き継ぐことを発表した。

 Vonageはまた、先ごろ米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、特許をめぐる法廷闘争が続くことで同社は、破産保護の下で破産に追い込まれる可能性があることを認めた。しかし、大部分のアナリストは、Vonageはまだ現金で4億2000万ドル保有しているといわれているので、破産はまだ先のことになるということで意見が一致している。だが、同社が新規顧客を獲得できなくなるとしたら、破産に対する脅威は高まる可能性もある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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