米Gartnerは、2006年の世界半導体市場の売り上げが前年比10.2%増の2627億ドルとなり、市場シェアの上位3社が2005年と同様、Intel、Samsung Electronics、Texas Instrumentsの順となったことを発表した。
ただしIntelは、2006年第4四半期にかけて、サーバとパソコン部門の両方でCPUのシェアをAMDに奪われており、全世界での売上高が前年比で12%低下した。一方AMDは、Dellのモバイル、デスクトップ、サーバに採用されたことも寄与し、売上高を大きく伸ばしてた。
GartnerはIntelについて、「Intelは価格競争による影響を最も大きく受けたが、2006年後半にマイクロアーキテクチャ『Merom』を採用したデュアルコアCPUの『Core 2 Duo』および『Xeon 5100』シリーズを発売したことで状況が好転した。こうした新製品によって、2007年はIntelが市場シェアを奪還する可能性もある」としている。
2位のSamsung Electronicsは、DRAM、NORフラッシュ、PSRAM、CMOSイメージセンサの売上高増加が成長の原動力となった。一方、2005年の成長に大きく寄与したNANDフラッシュは低調に終わり、2006年NANDフラッシュ市場におけるSamsung Electronicsのシェアは50%を下回った。
3位のTexas Instrumentsは、アナログとDSP製品の成長が大きな力となった。アナログ製品の中でも、高性能製品が前年比33%増となった。また、3Gワイヤレス製品も、日本市場での在庫調整があったにもかかわらず、50%増を記録した。
東芝は2005年の4位から2つ順位を下げ、6位となった。NANDフラッシュやイメージセンサ、ゲーム機器向けASICなどの売り上げが順調に推移したものの、為替の影響により、成長率は円ベースで前年比15.0%増のところ、ドルベースでは同8.9%増となった。なお、ガートナーの定義により、東芝の売上数値には、東芝とSanDiskが共同で製造しているNANDフラッシュのうち、SanDisk分は含まれていないが、SanDisk向けNANDフラッシュの売り上げを東芝の売り上げに含めた場合、東芝の順位は4位となる。
また、トップ10には入っていないものの、エルピーダメモリがDRAM事業で高い伸びを示し、2005年の27位から2006年は20位に躍進した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」