2006年世界半導体市場は売上10.2%増、シェアトップ3は変わらず--ガートナー調査

藤本京子(編集部)2007年04月10日 20時12分

 米Gartnerは、2006年の世界半導体市場の売り上げが前年比10.2%増の2627億ドルとなり、市場シェアの上位3社が2005年と同様、Intel、Samsung Electronics、Texas Instrumentsの順となったことを発表した。

 ただしIntelは、2006年第4四半期にかけて、サーバとパソコン部門の両方でCPUのシェアをAMDに奪われており、全世界での売上高が前年比で12%低下した。一方AMDは、Dellのモバイル、デスクトップ、サーバに採用されたことも寄与し、売上高を大きく伸ばしてた。

 GartnerはIntelについて、「Intelは価格競争による影響を最も大きく受けたが、2006年後半にマイクロアーキテクチャ『Merom』を採用したデュアルコアCPUの『Core 2 Duo』および『Xeon 5100』シリーズを発売したことで状況が好転した。こうした新製品によって、2007年はIntelが市場シェアを奪還する可能性もある」としている。

 2位のSamsung Electronicsは、DRAM、NORフラッシュ、PSRAM、CMOSイメージセンサの売上高増加が成長の原動力となった。一方、2005年の成長に大きく寄与したNANDフラッシュは低調に終わり、2006年NANDフラッシュ市場におけるSamsung Electronicsのシェアは50%を下回った。

 3位のTexas Instrumentsは、アナログとDSP製品の成長が大きな力となった。アナログ製品の中でも、高性能製品が前年比33%増となった。また、3Gワイヤレス製品も、日本市場での在庫調整があったにもかかわらず、50%増を記録した。

 東芝は2005年の4位から2つ順位を下げ、6位となった。NANDフラッシュやイメージセンサ、ゲーム機器向けASICなどの売り上げが順調に推移したものの、為替の影響により、成長率は円ベースで前年比15.0%増のところ、ドルベースでは同8.9%増となった。なお、ガートナーの定義により、東芝の売上数値には、東芝とSanDiskが共同で製造しているNANDフラッシュのうち、SanDisk分は含まれていないが、SanDisk向けNANDフラッシュの売り上げを東芝の売り上げに含めた場合、東芝の順位は4位となる。

 また、トップ10には入っていないものの、エルピーダメモリがDRAM事業で高い伸びを示し、2005年の27位から2006年は20位に躍進した。

Gartner 世界半導体メーカー ランキング トップ10(単位:百万ドル)
出典:ガートナー データクエスト(2007年4月)
* Infineon Technologiesの数値はQimondaを含む

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