利用スタイルという意味では、PM-A970 のひとつ上のモデルであるPM-T990 も「テレプリパ」という愛称で、テレビと組み合わせた新しい利用方法を提案している。
地上デジタル放送の番組で、印刷情報が付加されているものをプリントできる、という機能が大きいのだが、あわせて“リビングにある大画面”というテレビの特性を活かした、家族や複数人での使い方も便利だ。
データ放送を利用したものとしては、地上デジタル放送の番組であれば、旅番組で紹介される宿の情報がプリントできたり、料理番組のレシピをプリントできるといった機能が上げられる。
旅行の予定を立てたり、レストランの場所を確認したりと複数人で大画面を見て話ながら利用するにはぴったりだ。
さらに、メモリカードスロットを搭載したテレビの場合はデジカメ写真のスライドショーなどが行える機能のついたタイプが多いが、VIERA のこの機能はPM-T990 と連携して写真プリントまで行える
これからは、プリンタはテレビにつないで使うのが当たり前、プリントはテレビとつないで楽しむもの、という時代になるのかもしれない。
SOHO などでのビジネス利用を考えるときにも、複合機はやはり魅力的だ。基本機能の面でも、独立インクタンクなのでモノクロプリントが多い場合でも経済的に使用できるし、A4 サイズの普通紙を前面給紙で供給できるため、背面とW で給紙しておいたり、はがきなど他のサイズをプリントするときに併用もしやすい。
また、複合機としてコピー、スキャンなどが1 台で行えるのはもちろん、オプションの802.11g 対応無線プリントアダプタ「PA-W11G2」を使用すれば、アクセスポイント経由で無線での印刷やスキャンも行える。ひとつ上のモデル「PM-T990」であればネットワークインターフェースを標準装備しているので、HUB 経由でプリントする際などは「PM-T990」を選択するという方法もあるだろう。
デジカメ写真を日常的に扱うような仕事でも、撮影したデータの管理はよほどしっかりとシステムを作っておかないと混乱しがち。さらに、貯まってしまったデータのバックアップとなると一苦労だが、「まずはPM-A970 でプリント&バックアップ」というような流れも作っておけば万が一のときにも安心だ。
今回のレビューを通して、「PM-A970」はプリンタの枠を超え、プリントや写真に関するポータル機器へと進化してきていると実感した。いままではパソコンからプリントするという単なる“プリンター”であったものが、「PM-A970」は単体でも活用できるという、“高機能なAV機器”といった印象も受けるのだ。実際に使ってみると、デジカメやテレビなど外部の機器ともスムーズにつながり、もっと楽しむ機能が追加されていることで、ユーザーの使い方の幅を大きく広げてくれると感じた。そんなデジタルライフの変化まで促してくれるプリンターの登場した今が、まさに数年に一度の買い換え時期なのかもしれない。これまで、プリント品質で複合機を選んでこなかったユーザーにも、デジタルライフを充実させる1台として、おすすめしたい。
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