12月7日に新規上場--“老舗”ニフティの株価推移は?

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 インターネット接続サービス大手のニフティが7日、東証2部に新規上場する。

 同社はパソコン通信からスタートしたインターネット接続サービスの老舗的存在。情報・通信の新規サービスについて共同で調査研究をしていた富士通と日商岩井(現・双日)が出資し、前身となるエヌ・アイ・エフを設立したのが始まりだ。設立当初はパソコン通信サービスを手掛け、「フォーラム」というコミュニティが人気を博した。1991年に現在の社名に変更し、99年に富士通が日商岩井からすべての株式を取得。100%子会社となった。

 以後、国内ブロードバンドの普及を後押ししたADSL(非対称デジタル加入者線)の全盛時代はソフトバンクなど後発企業との競争が激化し、業績が伸び悩んだ時期もあった。しかし、光ファイバの本格普及をきっかけに巻き返しを狙り、FTTH(光通信による一般家庭向けデータ送受信サービス)に経営資源を集中。NTTや東京電力と提携したワンストップ型光サービス「@nifty光withフレッツ」、「@nifty光withTEPCO」の拡大を積極展開し、新規会員の獲得を目指している。

 FTTHの会員数は9月末に70万人を超え、2007年3月期末には会員数90万人を目指している状況だ。

 インターネットの普及とともに事業の中心をインターネット接続として、2006年3月にパソコン通信サービスを終了。パソコン通信時代からのノウハウを活用し、現在はブログサービス「ココログ」、企業向けマーケティングサービス「バズパルス」、コンテンツ自動配信サービス「ポッドキャスティングジュース」など多様なサービスを展開している。

 2006年3月期は会員獲得の先行投資がかさみ、増収ながら減益に。今後はサービスの多様化、新ビジネスモデル開拓に注力し、成長を目指す。

 会社側の予想によると、2007年3月期の連結業績見通しは売上高843億9700万円(前期比22.8%増)、経常利益21億6200万円(同32.7%増)、純利益11億8200万円(同58%増)と好調な推移が見込まれている。ただ、同社は常に同業他社との競争にさらされている。新規事業者の参入、市場成長の想定外の鈍化、既存の同業他社との顧客獲得競争の激化、サービス価格の想定以上の低下――などが成長軌道のマイナスに作用する懸念も否定できない。

 新規公開前の同社株のブックビルディングの仮条件は20〜22万円となっていたが、公募・売り出し価格(公開価格)は1株21万円と、仮条件の上限価格とはならなかった。公募・売り出し価格が21万円となったことから、上場時発行済株式総数の22万7800株を掛けて算出した時価総額は478億3800万円。時価総額500億円以上が東証1部の新規上場条件であるため、これに達せず東証は所属部を2部上場に決めたようだ。

 もし、上限価格の22万円となっていれば、時価総額が501億1600万円で、1部直接上場を果たせる可能性もあった。株価21万円で試算した今期予想の連結PERは40倍と、ネット関連の主力企業としては決して割高感はない。

 準大手証券の新興市場担当のアナリストは「11月後半は相場が極端に低迷し、公募価格を大きく下回っての初値形成という銘柄が相次ぐ異常な事態だった。それと比べて全体相場にやや明るい兆しが見え始めてきたことは、ニフティにとっては幸運と言えそうだ。公募価格が仮条件の上限にならなかったことから、初値について弱気の見方もあるが、上場する7日当日の相場環境次第では、21万円の公募価格に対して30万円を超える水準の初値まで人気化する可能性は十分ありそうだ」としている。

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