最先端のウェブ開発者と緊密な関係を保つことは、人気のWeb 2.0企業を惹き付けることにもつながる。例えば、Yahooは写真共有サイトFlickrとブックマーク共有サイトDeliciousの買収に成功した。両社とも、外部ユーザーにデータアクセス手段を提供するサイトだ。
しかし、買収を継続的に進めたことで 、Yahooの既存部門との機能の重複が生まれてしまった。この問題は、同社のシニアバイスプレジデントBrad Garlinghouse氏のメモが、「Peanut Butter Manifesto」として流出したことで明らかになった。
同メモでは、Garlinghouse氏が「仲間うちで張り合ってしまっている。重複した部分を排除して新しいBU(ビジネスユニット) を編成する必要がある」とYahooの経営陣に訴えている。
開発者に接近しつつある Yahooだが、社外の認識を変えるだけでなく、社内のカルチャーを改革するという課題は依然として残っている。
2005年9月、MicrosoftのBill Gates会長は、YahooがMicrosoftと競合することは永遠にないと発言し、開発分野におけるMicrosoftのツール開発力に自信を見せた。
Gates氏は、ロサンゼルスで開催された「Professional Developers Conference(PDC)」において、「Yahooは、自らをプラットフォーム企業とは位置付けていない」とCNET Newsに語り、次のように付け加えたのだった。「『Yahoo PDC』の開催は考えられない」
しかし、Yahoo Developer NetworkのシニアディレクターChad Dickerson氏の見方はまったく異なる。2005年にYahooに入社したDickerson氏は、プレゼンテーションであえてBill Gates氏の発言に触れ、Yahooがいかに変化を遂げつつあるかを示した。
「Yahooは既にプラットフォーム企業だ。そして、Yahooをはじめとするあらゆるインターネット関連企業で、カルチャーの改革は進行している」(Dickerson氏)
既にさまざまな企業が、Yahooのサービスを使った新しいアプリケーションを構築している、と同氏は指摘する。例えば、レストラン評価サイトMenuismは、Yahooの最新の認証サービスを利用している。これにより、ユーザーはYahooのIDとパスワードを使ってサイトにログオンできる。
小規模企業がこのような種類のアプリケーションを使用するメリットは大きい。認証サービスを独自に開発する必要がなくなるためだ。さらには、数百万に上るユーザーが持つYahoo IDの価値も高まる、とDickerson氏は言う。
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