筆者のレビューに際してのテストランは、屋内ジムのトレッドミル、屋外の公園両方で行ってみた。どちらでも、iPod nano、Nike+iPod Sport Kit、それにNike+対応シューズAir Zoom Moireの組み合わせは非常に快適に利用することができた。
筆者も、普段からプレイヤーで音楽を聴きながらジョギングするのだが、今回iPod nanoとNike+iPod Sport Kitの組み合わせでもまったく違和感なく使用することができた。
センサー、レシーバーともに、非常に軽いため、iPodに付属物を付けているとか、シューズに重さを感じるようなことはまったくない。
ちなみに、使い捨て電池で1000時間以上使えるという省電力な無線機器であるこのセンサーだが、多少条件が悪くなってもシューズとレシーバーの間の無線交信もまったく障害などはおきないようで、その点も心配することはなさそうだ。
実は、いじわるをして、筆者がシューズをはき、伴走者にiPodとレシーバを持ってもらいしばらく走ったのだが、多少なら離れても問題なく無線を拾えているようだった(もちろん、想定外の使い方なので、メーカーも筆者も、使えるとは保障しないが)。
また、シューズに使用したAir Zoom Moireに使われているズームエアの高いクッション性のためか、トレッドミル、芝生、アスファルト、どこで走っても中敷の下に入れているセンサーをまったく意識せずに走ることが可能だった。
ちなみに、ロードワークは、芝生、アスファルトどちらを走っても、一度調整をしておくと、ほぼ誤差を出さずに距離を計ることが可能なようだ。
先述したように、距離や、タイム、カロリーでワークアウトメニューを設定しておくと、中間地点や、メニューが少なくなったところで、音声でそれを案内してくれる。
また、iPod nanoの画面には、距離、タイム、平均速度などが表示され、履歴としても残る。
ワークアウト中にどのくらい走ったか、あるいは走ったあとで、適当に走ってから後でどのくらいの距離を走ったのか知ることも可能だ。
ワークアウトを終わってPCに接続すると、iPod nanoに記録されたランニングデータをPC経由でNikeplus.comに送ることができる。
このNikePlus.comでは、今まで走った記録をビジュアル的に見たり、といったことができる。
記録はワークアウトごとに「2.11kmの距離を、23分40秒で、走ったことになる。163キロカロリーを消費し、1kmあたり11分11秒ペースでジョギングした」というようなことがわかるほかに、毎回のランニングの速度をグラフ化してみることができる。ジョギングではある程度一定のペースで走ることが理想だが、グラフを見ると、「ああ、右肩下がりで推移している、もっとがんばろう」とか「途中でだれている、距離が長すぎるのだろうか」というような分析をすることが可能だ。
それから、これまでのワークアウトの記録は、毎回、週、月といった単位でも見ることが可能なので、たとえば、今週はいつもの週に比べてちょっと走行距離が少ないな、今日は多めに走ろう、というような調整も可能になる。
たとえば、写真の昨日のジョギングでは、2.11kmの距離を、23分40秒で、走ったことになる。163キロカロリーを消費し、1kmあたり11分11秒ペースでジョギングしたことがわかるわけだ
こんなことができるだけだけでも、毎日のジョギングやウォーキングには非常に励みになるのだが、Nike Plusでは、さらにこれらにある程度長期の目標をたてるということもできる。
たとえば、「Challenge」画面では、回数、距離、カロリー、ペースの目標をたてて、あとどのくらいで目標達成かを知ることもできる。
毎月、最低でも2日に1回は走るようにしようということであれば4週間で14回を目標にするとか、あるいは3カ月でウォーキングで体脂肪を2キロ減らすのが目標であれば、12週間で14400カロリーを設定すればよいはずだ(脂肪1キロ燃焼させるには7200キロカロリーの運動が必要なため。ただし、運動すると基礎代謝があがるので、実際にはそれ以上減るはずである)。
また、目標は他のユーザーと共有することも可能だ。たとえばメールアドレスを知る知り合いにNike+iPod Sport Kitユーザー、「さきに100km走ったほうが勝ち」「30日間で多く走った人が勝ち」「10キロ当たりあたりで一番早いタイムを出した人が勝ち」というような競争に誘うことが可能だ。
レビューでは、残念ながら筆者1人でしか利用することができなかったのだが、これは実際に試してみたらかなり燃えそうだ。
ちなみに、このNike plusでは、全世界のNileplus.com登録ユーザーの記録も表示されており、自分が世界的にどのあたりに位置しているのか知ることもできる。
Nike+iPod Sport Kitではランニングの距離や速度を測ることができ、そのデータを利用することで、こんなにも「走る」ということを楽しくできる、ということをiPodユーザーに教えてくれるすばらしい応用例だといえるだろう。
今回発売のキットでは、心拍数は計ることができないため、本格的な体づくりのためのトレーニングをする人には多少物足りない点があるかもしれないとは個人的には思う。iPod nanoさえ持っていれば、数千円でキット+スポーツシューズでこれだけのことができる。まったく、すばらしい商品だ、と筆者は考える。
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