Cinebench 9.5とPyMOLは、ともにマルチスレッド対応した数少ないアプリケーションのため、コアの数がパフォーマンスに大きな影響を与えているのがわかる(それぞれのテストでは、いずれの構成でもCPU稼働率が100%になったという)。ただし、Cinebench 9.5の場合に、4コアに比べて8コアのパフォーマンスが30%程度しかアップしていないが、これはCPUの速度が遅い(2.66GHz対3GHz版)ことに加え、コアの数が増えた分だけ(それを処理するための)負荷が増したせいではないかと推測されている。また、Mac Pro用のファームウェアなどのコードが8コア用に最適化されていないことも関係しているとの指摘もある。
QuickTimeとiTunesのマルチタスク・テストでは、コアの数の違いによるパフォーマンスの違いはほとんど見られない。だが、CPU稼働率には大きな違いが出たようだ。デュアルもしくはシングルコアの場合に100%だった稼働率は、4コアでは40%前後、また8コアでは23%付近まで下がったとある。この結果から、コアの数が増えるほど処理できるタスクの数も増せるという結果が導き出せそうだが、「今回は時間がなくて試せなかった」そうだ。
iTunesによるエンコーディングでは、CPU速度がそのまま結果に表れているが、これについてはiTunesのコードがマルチタスク用に最適化されていないためとの説明がある。また、同じ4コア3.0GHzの場合でもMac OS XとWindow XPの結果には比較的大きな開きがあるが、この点についてはMac OS X版iTunesのほうが最適化がうまくできているため、との説明がある。反対に、Quake 4では、Intel QX6700 4コア(2.66GHz版)が最もよい結果が出ているが、これもOSおよびハードウェアとの最適化の影響だという。
以上のような結果をふまえ、CNET Labsでは、「8コアは(少なくとも現時点では)やり過ぎ」としながら、「今後マルチスレッド/マルチプロセッサをサポートするアプリケーションが増えていけば、4ないし8コアといったマルチコアプロセッサのもたらす威力も実感されるだろう」との結論を出している。
システム構成:
Mac Pro: 8 cores @ 2.66GHz, Mac OS X
OS X 10.4.8; 2x 2.66GHz Intel Xeon 5355; 2,048MB DDR2 FB-SDRAM 667MHz; 512MB ATI Radeon X1900; 500GB Seagate 7,200rpm SATA/150
Mac Pro: 8 cores @ 2.66GHz, Windows XP
Windows XP Professional SP2; 2x 2.66GHz Intel Xeon 5355; 2,048MB DDR2 FB-SDRAM 667MHz; 512MB ATI Radeon X1900; 500GB Seagate 7,200rpm SATA/150
Mac Pro: 4 cores @ 3.0GHz, Mac OS X
OS X 10.4.8; 2x 3.0GHz Intel Xeon 5160; 2,048MB DDR2 FB-SDRAM 667MHz; 512MB ATI Radeon X1900; 500GB Seagate 7,200rpm SATA/150
Mac Pro: 4 cores @ 3.0GHz, Windows XP
Windows XP Professional SP2; 2x 3.0GHz Intel Xeon 5160; 2.048MB DDR2 FB-SDRAM 667MHz; 512MB ATI Radeon X1900; 500GB Seagate 7,200rpm SATA/150
Intel QX6700: 4 cores @ 2.66GHz, Windows XP
Windows XP Professional SP2; 2.66GHz Intel Core 2 Extreme QX6700; 2,048MB DDR2 SDRAM 800MHz; 256MB ATI Radeon X1900; 74GB Western Digital 10,000rpm SATA/150
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