無論、カーボンナノチューブにも問題点はある。たしかにカーボンナノチューブには特異かつ有益な特性があるが、大量生産は難しい。というのも、原子の配列によって、一部のナノチューブは半導体、すなわち電子の伝達が制御可能だが、他は純粋な導体だからだ。またナノチューブには長さが長いものもあれば短いものもある。同一バッチ内で作られたナノチューブにも、めまいがするほど無数の特性が存在する。
各チップには、インターコネクトを構成するための数千のナノチューブが必要となるため、研究者らは均一のナノチューブを作る方法、あるいは、良品と不良品を瞬時に分別する方法を模索しなければならなくなるだろう。
「(現在の)インターコネクトでは、溝を掘り、それらを金属で満たしている」(Lammers氏)
その結果、カーボンナノチューブ製のインターコネクトが商用チップに採用されるのは、早くても数年先になる見込みだ。
カーボンナノチューブがチップに導入されるか否かに関わらず、半導体内部の基本構造や構成要素は向こう20年間で根本的に変化する。2010〜2012年あたりに研究者らが今後生じるべき変化の範囲を絞り始め、その後、シリコン分子とより新しいナノ分子を結合するチップが登場し始めることになるだろう。さらに2020年代には、シリコンチップの小型化は不可能となり、全く異なる材料へのシフトを余儀なくされるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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