MTVが与えるヒント--グーグル-ユーチューブのビジネスモデル - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年10月26日 20時46分

 MTVとの2カ月間にわたるテスト運用で、GoogleはMTVコンテンツのライセンスを供与し、厳選されたAdSense利用ウェブサイト上で配信したと、Googleの広報担当者Jennifer Hakes氏は述べている。各ビデオクリップには映像広告が挿入され、そのウェブサイトに関連したトピックにターゲットが絞られた。同氏によると例えば、MTVの子供向け番組を取り扱うNickelodeonのコンテンツは、赤ちゃんの名前を取り扱うサイト上で表示されるという。広告収入はウェブサイト運営者とGoogleとMTVとの間で分けられる。

 Hakes氏は、Google-YouTubeによる取り組みにおいて、このテストが何らかのモデルとなり得るかついては何とも言えないと述べている。同氏によると、Googleはその広告技術とYouTubeのコンテンツを「統合する方法を模索している」という。「いかなる可能性も排除していない」(Hake氏)

 また、Googleは、今夏2カ月間にわたって実施した別のテストで、Google Videoのプレミアムコンテンツが広告を視聴すれば無料となる機能を提供した。このテストでは、映像終了後に流される「ポストロール」という方式の広告を採用し、バナー広告も表示された。

 これらのテスト以外では、ディスプレイ広告(Google Videoサイトでコンテンツの傍らに表示される広告)をGoogleは堅持するようである。YouTubeもディスプレイ広告を利用している。その主な理由は視聴者への配慮である。映像開始前の広告を視聴者が煩わしく思う可能性が高いためである、と専門家らは述べている。

 Googleの幹部らは、米国時間10月9日に、人気映像ウェブサイトYouTubeを16億5000万ドルで株式交換方式により買収すると発表した際には、YouTubeの統合計画の詳細については何も明らかにしなかった。

 しかし、GoogleはYouTubeが先駆けたユーザ生成型のコンテンツモデルと、Googleを含めたポータルが目指してきたライセンス供与モデルとの間の相違を解決しなければならないということについては、専門家らの意見が一致している。テレビ広告を利用してきた伝統的なブランドの広告主は、ティーンエージャーがギターの弾きまねをしたり、サーファーがサメに襲われていたりする映像の後に流されるような広告枠を購入することをためらうかもしれない、と専門家らは言う。

 Googleは、大手メディア会社からのコンテンツのライセンス供与が可能であることを証明したが、このようなライセンス供与は、YouTubeの「人民による、人民のための」コンテンツモデルに反するものだと、Reilly氏は言う。「YouTubeコンテンツの前にコマーシャルを流したいと思わない広告主もいる」(Reilly氏)

 Googleはまた、YouTubeの利用者が引き起こしている法的問題にも対応する必要がある。利用者らは、例えば「サタデーナイトライブ」といった著作権で保護されたコンテンツをウェブサイト上にダウンロードしている。「今では数多くの著作権保護されたコンテンツがYouTube上にあり、これが広告掲載を躊躇させる理由のひとつになっている」とインタラクティブマーケティング会社AKQAの最高経営責任者(CEO)を務めるTom Bedecarre氏は述べている。

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