評価機を使用しているため、実際の量産機では異なる可能性があるが、実際に使ってみて、いくつか気になった点を書き留めておきたい。
1つは、ワンセグ放送が受信できない場合のユーティリティーの挙動である。電波状況が悪い場所で本製品を起動させた場合、画面が真っ暗なまま何も情報が表示されず、現在どういったステータスにあるのかが非常に分かりにくかった。まれに「受信できません」と表示される場合もあるので、なおさら判断に迷ってしまう。特に初回起動時は設定ミスかと誤認しやすいので、はじめて起動する際はなるべく電波状況がよい場所で行うのがよいだろう。
ちなみに、ワンセグ放送の場合、電波状況の良し悪しはチャンネルごとにかなり違う。つまり、すべてのチャンネルが観れる/観れないのではなく、NHKは観れるのにTBSやテレビ朝日はまったく観られない、といった状況が起こりうるわけだ。受信テストを行う際は、1つのチャンネルだけで行うのではなく、いろいろなチャンネルに切り替えつつ行うことをお勧めする。
もう1つはCPU消費量の問題だ。今回試用したノートパソコンは、2004年に発売された、Efficeon 1GHz、メモリ512Mバイトのモバイルノートだが、ワンセグ放送の受信中はCPUの使用率がほぼ100%の状態であった。これでは、ほかの作業をしながら画面の隅でテレビを観るというコンセプトに沿った使い方はできない。メーカー推奨の動作環境として「Pentium 4 1.4GHz以上、PentiumM 1.0GHz以上、または同等性能の互換CPU」とあるように、ノートパソコン本体がある程度のスペックを必要とすることは理解しておいたほうがいいだろう。
本製品と同様のコンセプトを持つUSBスティックタイプのワンセグチューナーはロジテックからも発売されているが、こちらは本体サイズが2回り大きいうえ、録画機能に対応していない。価格についても本製品のほうが下回っており、本稿を執筆している9月下旬現在では、本製品の優位性は際立っていると言える。
自分の行動エリアでどこまでワンセグ放送が視聴できるかという根本的な問題はさておき、手軽にワンセグ放送を試してみたいのであれば、ワンセグケータイよりも手軽に試せ、汎用性も高い本製品はまさにベストチョイスだと言えるだろう。実売価格も約1万円とこなれており、ワンセグに興味を持っている人にとって、購入して損はない製品だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」