クリック詐欺の割合を正確に測る上での問題の1つは、監査員は、ウェブサイトと検索エンジン企業の両方でコンバージョン率に関するデータを調べる必要がある点だ。Googleはこのデータを提供していない。Googleのレポートで社名を挙げられた監査企業の1社であるClick Forensicsの最高経営責任者(CEO)、Tom Cuthbert氏は、「(それら両方のデータが揃わなければ)全てのデータをまとめるのは困難だ」と語る。
Cuthbert氏は、同社のまとめたデータがGoogleのレポートで批判されていることに対する反論の中で、「私は、われわれの方法論を支持する」と述べ、さらに「(Googleは)ゴリアテで、われわれは自分たちができることをやろうとしているダビデであり(中略)両者が方法論について話し合っても平行線をたどるだけだろう」と語った。
これに対しGoogleのGhosemajumder氏は、Googleのレポートは方法論を批判しているのではなく、第三者企業の報告書では詐欺的クリックの数が水増しされており、その結果、クリック詐欺に関する非現実的な試算になってしまっていると結論付けているにすぎないと反論した。
クリック監査企業Alchemist Mediaの創設者であるJessie Stricchiola氏は、他のクリック詐欺対策企業の関係者と同様、まだGoogleのレポートは見ていないと語った。Stricchiola氏は、いくつかの集団訴訟を経て、ようやくGoogleの協力を引き出したと指摘した。同氏は、会議での議論の白熱ぶりに触れ、「どうやら今回は皆、本気のようだ」と語った。
Googleに対して提起されたクリック詐欺訴訟の総額9000万ドルの和解は、すでに判事の最終承認を得ているが、Yahooと広告主との和解は、承認待ちの状態だ。
Stricchiola氏はGoogleに対し、同社はAdWordsの顧客全体の何%からコンバージョン率に関するデータを取っているのか尋ねた。コンバージョン率とは、広告をクリックした人のうち、商品を購入するなど特定の行動を取った人の割合を指す。この点についてGhosemajumder氏は、Googleはコンバージョン率を公表しないが、顧客にコンバージョン追跡ツールを無償で提供しており、Googleは同ツールを通じて顧客からコンバージョンに関する情報を入手していると語った。
Ghosemajumder氏とYahoo Search Marketingのグローバルプロダクトマネジメント担当シニアディレクターJohn Slade氏によると、Googleは、クリック詐欺の定義基準の策定後であれば、第三者企業による監査に従うだろうという。
GoogleやYahooをはじめとする検索企業は先週、Interactive Advertising BureauやMedia Rating Councilと協力してクリック詐欺の定義基準や測定基準の策定に取り組んでいることを明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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