これらの変更は、レーティングツールを大々的にサポートするパートナーにとっては重要だが、Intelなどの各社の懸念には対応していないように思える。
一方のグラフィックチップメーカー各社は、自社製品が大きく考慮されたことに当然のことながら満足感を示し、Windows VistaはAeroユーザーインターフェースの処理でグラフィックチップの性能に大きく左右されると指摘している。
ATI Technologiesのグラフィックススペシャリストで、ソフトウェアプロダクトマネジャーのAndrew Dodd氏は、「グラフィックス処理が重要なことはだれの目にも明らかなはずだ」と述べている。
Microsoftはまた、同プログラムの意図を明確にするとともに、その仕組みについても新たな詳細を明らかにした。
Microsoftは、「Windows Experience Indexは、平均的な消費者が自分のWindows Vista PCの総合パフォーマンスを容易に理解し、そのシステムコンポーネントで特定のソフトウェアアプリケーションがスムーズに動作するかどうか簡単に判断できるようになっている」と述べている。
同社はさらに、コンピュータメーカーや小売業者がWindows Experience Indexを使えば、「特定のWindows Vista PCの全体的パフォーマンスと、自社が販売するほかのWindows Vista PCと比較した場合の使い勝手を顧客が理解しやすくなり、結果的にわかりやすい差別化が可能になる」と述べた。
ソフトウェアメーカー各社にもメリットがある。このスコアを使えば、自社プログラム向けとして最低限のものと、推奨されるものの両方のシステムパフォーマンスを伝えることができると、Microsoftは述べている。
同ツールの初期バージョンは1から5の5段階でランキングを行うが、将来的には数値が追加されていくと、Microsoftは語っている。つまり、現在「3」を獲得するPCは今後も「3」のままだが、いずれは「6」や「7」が与えられるコンピュータが登場してくる。
Microsoftは声明のなかで、「新しいハードウェアコンポーネントのパフォーマンス向上にともない、定期的に新しいスコア(6.0〜6.9、7.0〜7.9など)を追加していく。既存の数値は単に『そのまま』残る(つまり、3.2のパフォーマンス基準は数値がいくつ追加されても変わらない)。このスコアリングシステムは、数値の追加とハードウェア技術の進化を念頭に置いて作成したものだ」と述べた。
同社はまた、これらのレーティングの意味についても一定の基準を示したが、各スコアの完全な分類や意味は明かさなかった。
Microsoftは、「この基本スコアを使えば、顧客は自分のマシンが希望通りの使い勝手を実現できるかどうか判断できる(Windows Vistaを搭載したPCを使ってオフィス生産性ソフトウェアを使ったり、ウェブブラウジングをしたりする場合は、1〜2の基本スコアで目的を達成できる。しかし、同PCを使ってHDTVの録画や3Dゲームを行う場合は、4〜5の基本スコアが必要になる)」と述べている。
Dodd氏によると、ATIが最も懸念するのは、このスコアが実際の環境における自社コンポーネントの実力を正確に反映しているかどうかだという。
同氏は、「何をもって『4』あるいは『5』とするのかについて引き続き試行錯誤が行われているのは承知している。Microsoftが各レーティングの意味と、そのレーティングとなった理由を明確にしている限りはエンドユーザーにとって非常によい取り組みだ」と述べている。
AMDのSimmons氏によると、同ツールはPCプロセッサの重要性を過小評価しているが、コンピュータの返品数が減少し、顧客満足度が一気に上昇するためメリットはあるという。Windows Experience Indexが生成するスコアをどう使うかは最終的にPCメーカーや小売業者次第だが、このレーティングは店頭に並ぶPCの横に比較表の形で置かれるようになるのではないかと、Simmons氏は述べている。
「CPU自体には必ずしもメリットにならないが、業界にとっては良いことだ」(Simmons氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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