ソニーは5月31日、独自開発の映像信号処理技術「DRC」について、最新版となる「DRC-MF v2.5」を開発したと発表した。
DRCは同社が1997年に開発した技術で、SD信号からHD信号のフォーマットに変換する技術だ。SD信号とHD信号の相関特性を利用して質感や解像感を表現する信号を演算処理で創造する方式で、単純に信号補完処理で画素間の情報を埋める「線形補完方式」とは異なっている。
今回発表されたDRC-MF v2.5は、ハイビジョンカメラで撮影された映像やHD信号を元に、さらに質感や解像感を表現するリアルなHD信号を創り出す技術。HD信号に対するクリエーションと歪み抑圧を実現する「デジタルマッピング処理」の性能を向上させた。
より安定した実物に近いリアルなHD信号創造が可能になったほか、HD信号から1080p映像信号を直接創り出すことで動きのある映像でも解像感や質感の向上を実現している。また、デジタル放送ではHD信号だけでなくSD信号から1080iのHD信号にフォーマット化されたHD映像も放送されるが、こういった様々なHD信号に対して最適な処理を行うことでフルHDパネルの表現力が最大限に引き出せるという。
同社では、この技術をデジタル放送時代に向けた映像信号処理技術として、今後発売する家庭用薄型デジタルハイビジョンテレビ「BRAVIA」シリーズ等に順次搭載する予定だ。
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