シーエー・モバイルが現在最も注力しているのが、モバイルサイト向けの検索連動型広告だ。シーエー・モバイルでは「ケータイプレミアムサーチ」というサービスを2004年10月より提供しており、1年半で広告売上の大きな割合を占めるまでに成長している。
一般サイトが検索エンジンも含めて導入するケースが増えているといい、これまでに2000以上のサイトがケータイプレミアムサーチを採用しているとのことだ。
「PCサイトと違って、モバイルでは『誰もが利用する検索サイト』というものが存在していない。このため、一般的な趣味のサイトなどに当社の検索エンジンを導入してもらい、それらをネットワーク化して広告を配信している。検索エンジンと広告配信システムをパッケージにして提供しているため、サイトの運営者は導入の手間がかからない。広告を掲載できるだけでなく、検索エンジンというコンテンツを増やすという視点からも採用が進んでいるようだ」(霜島氏)
検索連動型広告は広告主からも強い引き合いがあるという。検索連動型広告の場合、特定のキーワードに関心のあるユーザーが広告を閲覧することになるため、ほかの広告に比べて費用対効果が高いというのだ。
さらに、パケット定額制の影響からか、モバイルユーザーの検索利用が増えていることも追い風だという。「検索機能を使うユニークユーザーも伸びているが、それ以上に1人あたりの検索回数が伸びている。また、検索されるキーワードも昔は着メロや着うた、待受画像といった、モバイルコンテンツに関するものが多かったが、最近ではスポーツの結果や芸能ニュース、地震速報などの、時事ネタを検索する人が増えている。モバイルユーザーの検索スキルが上がっており、PCサイトに似た使われ方が出てきている」(霜島氏)
ドコモが発表しているデータによれば、第3世代携帯電話(3G)のユーザーはウェブページ閲覧数が2Gに比べてかなり多い。2Gのmovaユーザーの1日当たりのページ閲覧数が4.1ページであるのに対し、3GのFOMAユーザーは45.2ページにものぼる。ドコモでは2006年度中に3Gの契約者数が2Gを上回ると見ており、今後はますますモバイルサイトの利用がすすむものとみられる。
今後の市場拡大の上での課題について霜島氏は、「すでに解決されつつある」と楽観的だ。これまではパケット料金と通信速度の問題が大きかったが、パケット定額制が普及しはじめており、3Gの普及によって通信速度も上がっているというのがその理由だ。さらにドコモが夏にも下り3.6MbpsのHSDPAサービスを開始することを発表しており、ユーザーがモバイルサイトをストレスなく閲覧できる環境が整ってきている。
このほか、広告主が、モバイルを使ってどのように消費者とコミュニケーションをとるべきかというノウハウを持っていないという点も課題として考えられる。しかし、これも今後事例を積み重ねていくことで解決されると霜島氏は話す。「手法が確立されればナショナルクライアントの出稿も増える。モバイルを使った消費者とのコミュニケーション手法に関して認知度を高めることが必要だ」(霜島氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境