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ネット株軟調の中でIIJに本格反騰の兆し

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 新興市場上場のIT・ネット関連銘柄の株価下落傾向に歯止めがかからない中で、ネット接続サービスの草分け的存在として知られ、東証マザーズ上場のインターネットイニシアティブ(IIJ)の株価が、ここにきて反転上昇の兆しを見せ始めてきた。きっかけとなったのは、5月10日に同社が発表した2006年3月期決算の好調さだ。果たして、全般相場が軟調な中で、同社の本格的な株価の反転上昇はあるのだろうか。

 IIJが5月10日に発表した2006年3月期の連結決算(米国会計基準)は、売上高498億円(前々期比19.4%増)、営業利益24億1000万円(同93.2%増)、税引き前利益53億8000万円(同70.8%増)、純利益47億5000万円(同63.6%増)と大幅増益で、非常に好調な決算となった。

 これは、全国拠点を結ぶ大企業向けを中心にネットワークシステムの構築案件が好調だったことが寄与した。また、迷惑メール対策などセキュリティ関連サービスの拡大も下支え要因となった。純利益が膨らんだのは、従来の想定に比べて株式相場が堅調な推移となったことから、株式含み益が大きく膨らんだことが寄与した。

 同社が前期の決算発表と同時に明らかにした2007年3月期の連結業績予想は、売上高550億円(10.4%増)、営業利益32億円(同32.7%増)、税引き前利益63億円(同17.1%増)、純利益50億円(同5.2%増)だった。

 今期は、メガバンクのインターネット関連の投資や、インターネット証券などの金融事業向けに加えて、流通や製造をはじめとした幅広い業種で主要企業が企業内のネットワーク構築を進めている。また、これに対応したシステム構築案件を中心に、セキュリティ製品の導入を含んだ付加価値サービス、さらにインターネットデータセンタなどを活用した運用サービスなどの収益性の高いアウトソーシングがけん引役となる見込みだ。

 すでにスタートした今期も、企業のインターネットに関連したネットワーク構築案件が増加傾向にあり、案件獲得も増え始めていることなどからシステムインテグレーションがさらに上昇する。インターネットセキュリティ関連の受注も拡大する可能性が高い。

 同社は、日本でインターネットが本格普及する以前の1992年に設立され、インターネット接続サービスをスタートした草分け企業。最近でもSMFサービス(ネットワークの設定、運用、管理、保守に到るまでを一元管理し、簡便にするサービス)のような独自商品の開発も進めている。

 同社は2005年5月に一度マザーズへの上場を承認されていた。しかし、公募・売り出し価格の決定後にナスダック市場でのADR(米国預託証書、1ADRあたり2000普通株式)が大幅に下落した影響もあって、期間中に公募の申し込みが足りなかったことから6月20日の上場を断念したという異例の経緯があった。改めて、IIJは2005年11月9日、東京証券取引所マザーズ市場への上場が承認されたと発表。12月2日にようやく新規上場を果たした。

 株価は2005年12月の上場後、年末から2006年年初にかけて上昇、年明けの1月12日には58万4000円の上場来高値をつけた。しかし、ライブドアショックの影響もあって、その後は一貫して下落トレンドを強いられ、5月17日には34万8000円の上場来安値まで売り込まれている。しかし、ここにきて全般軟調地合いの中にあっても反発の兆しを見せ始めている。業績の好調推移や、予想連結PERが15倍台とIT・ネット関連銘柄の中では出色の超割安水準にあることから、当面は株価50万円水準を目標に反発機運が強まる可能性がありそうだ。

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