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「差し止め命令は誤り」:イーベイ特許権侵害訴訟、米最高裁が判断 - (page 2)

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年05月16日 16時53分
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ライセンス供与は問題なし

 この特許権侵害訴訟の一審でeBayが敗訴した際、地裁はeBayに対し差し止め命令を下さなかった。その理由としては、MercExchangeが保有する特許のライセンス供与を希望しているように思われたこと、また、同社がそれらの特許を使った商品開発を行っていなかったことなどが挙げられる。

 しかし、最高裁はそのような「広範な分類」は特許法にそぐわないとして、地裁の論理を覆した。Thomas判事は判決の中で、大学の研究者や個人の発明家といった一部の特許権保有者は当然、自分の作品や成果を独力で販売するために必要な資金の調達に奔走するよりも、ライセンス供与を選ぶと思われ、彼らにも等しく差し止めを行う機会を与えるべきだ、と述べている。

 ただ、Anthony Kennedy判事は同意意見書の中で、たとえそうだとしても、判事団は、そのような特許保有者のために(侵害者に対し)差し止め命令を下すことにより生じる、より広範な結果について考慮すべきだと指摘し、その理由として、ある業界では企業が商品の製造、販売の基礎として特許を使用するのではなく、主に特許権使用料を獲得する目的で特許を使用しているため、と説明した。この意見書には、John Paul Stevens氏、David Souter氏、Stephen Breyer氏の3人の判事も署名している。また同判事らは、「(特許権保有者が専ら利益目的で特許権を行使しているような場合は)特許侵害の補償としては(金銭的)損害賠償だけで十分であり、差し止め命令は公益に資さない」とも述べている。

 この文言は、特許訴訟を主な収入源とし、特許制度を利用して自分に有利な和解を強要する、パテントトロールと呼ばれる企業にとっては痛手となる可能性がある。

 ビジネスソフトウェアの権利保護活動を展開する米国の非営利団体Business Software Alliance(BSA)は判決が下された直後に、「(今回の最高裁判決は)技術革新と消費者の明らかな勝利であり、特許制度を悪用するパテントトロールなどにとっては敗北を意味する」とのコメントを発表し、同判決を歓迎した。

 eBayの特許権侵害訴訟は、特許権侵害に対する裁判所の差し止め命令の出し方に大きな影響を及ぼす可能性があることから、異常なほど高い関心を集めた。この問題は、幅広い人気を誇るResearch In MotionのBlackBerryサービスが中止の危機にさらされた最近の裁判でも中心的な論点となった。過熱するこの特許訴訟では、同サービスそのものが特許に関する議論の中心テーマとなった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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