しかしRyu氏によると、確かにParamount Picturesは同氏が必要としていたデジタル素材を同氏のチームに提供できなかったが、いくつかの点でゲーム製作に貢献したという。
例えば、同氏は「Godfather」ゲームのアートディレクターと2人の主任アーティストとともにParamountを訪れ、映画の参考資料を探したという。また同社はRyu氏のチームに対し、コンピュータへの取り込みが可能な白黒やカラーのプリントやスライド、および、映画に関する貴重な資料が入った20以上の箱を提供した。
Ryu氏は、「それらはキャラクターだけでなく背景を製作するための参考資料としても大変有用だった」としたが、しかし「(映画の登場人物は)3D(3次元)のキャラクターなので、『Godfather』を繰り返し見続けることを決意した」と語った。
Ryu氏の説明によると、同氏はまず、映画の各シーンをじっくり見て、例えばBrandoが映画の中で見せる、まるで頬に綿ボールを詰めているかのような独特の風貌といった大変細かい部分まで観察したという。
無論、キャラクターを手作業でつくり出すといっても、Ryu氏や彼女の同僚が手でスケッチを描いているというわけではない。
実際には、彼女はゲームに含めたいと思ったキャラクターの要素を頭の中でリスト化しながら、自分のコンピュータで作業を行い、3Dのモデルやテクスチャーをつくり出している。
「テクスチャーは本当に重要だ。あらゆる種類の証明やムード、影がそこに現れるからだ。コンピュータは実に素晴らしい道具で、私がスケッチブックにペンや鉛筆を使って画を描く必要はない」(Ryu氏
Ryu氏によると、彼女は映画に登場したキャラクター1人分をゲームに移植するのに、1週間かけて映画を観たり、コンピュータ上でアニメを動かす必要があったという。これはつまり、60人分のキャラクターをつくるのに、およそ1年間テレビとコンピュータに張り付いて過ごす必要があったということだ。
ただし、Ryu氏はテレビの真ん前で来る日も来る日もGodfatherを観ながら、それでも決して1人でこの映画を観ていたわけではないと言う。
彼女の説明によると、このゲームの製作中には、EAのスタジオ内にある複数のモニターで24時間Godfatherが流れていたという。
Ryuは他のだれよりも多くGodfatherを目にしたかも知れないが、作品中の会話が毎晩夢の中にでてくるようなことは無いという。
「キャラクターづくりのために映画を観る時には、通常はテレビの音を小さくしている。そしてEAでは、全員がコンパートメントのなかにあるデスクで仕事をしている」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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