ハードウェア企業のソフトウェア開発責任者
ソニーにおけるソフトウェアビジネスは、Appleのそれとは異なるものになるだろう。ソニーの観測筋は、同社がハードウェアの開発に力を入れる一方で、これまでソフトウェア開発を特に重視したことが一度もなく、またプログラマの給与もシリコンバレーにある多くの他社と比べて比較的少ないと指摘している。
VAIOコンピュータを担当する事業部などには優秀なプログラマが集まっているが、これらの事業部はこれまで、スタッフを内部の仕事に専念させ、他のグループと共有するようなことはあまりなかったと、EnvisioneeringのアナリストRichard Dohertyは述べている。
「Sony Electronics(ソニーの米国法人)の求人広告を見れば、Appleで働く場合と同じような給与や報酬が得られないことがわかる」とDohertyは言う。「ソニーは米国ではAppleが築き上げたようなソフトウェア関連のインフラを構築できていない」(Doherty)
ソニーにとってソフトウェア関連の最大の汚点といえば、おそらく最初に公開した音楽ダウンロードサービス「Connect」だろう。ソニーがiTunesの対抗馬としてこのサービスを開始したのは2004年5月のことだったが、サービスや関連のソフトウェアにはバグが多く使いづらいとの批判が浴びせられた。
そのほか、ソニーのさまざまな製品が一時的に互換性を欠いていたなど、もっと小さな問題もここ数年同社を悩ませてきた。
Schaaffを知る人間は、Appleに各種のオープン標準を受け入れさせたSchaaffが、ソニーでも同じような動きを見せるだろうと予想している。また、彼こそさまざまな部門が進めるソフトウェア開発の取り組みを連携させるのに必要な外交手腕の持ち主だという者もいる。
Schaaffがまず取り組む仕事のなかには、重要な製品のリリースも含まれるだろう。2006年中に登場する「PlayStation 3」の発売は、ソニーにとって過去最大規模の立ち上げになる。またCEOのStringerは、iPodの新たな対抗馬を開発中だと示唆していた。
ただし、Schaaffは当面、多くの日本の事業部を監督する米国人という自分の役割に徐々に慣れていこうとしている。
「彼は慎重で、落ち着きがあり、精神的にとても成熟しているので、日本人幹部らとも非常に上手くやっていけるだろう。われわれは貴重な人材を確保できたと考えており、そのことを嬉しく思っている」(Stringer)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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