ボキャブラリーに磨きをかけたい人へ──ATOK 2005 for Mac OS X

ジャストシステム
内容:「ATOK17 for Mac OS X」から1年、ATOKはATOK 2005としてパワーアップした。動詞に対する文脈処理、校正/入力支援、連想変換機能などが強化されたほか、さらに磨きのかかった学習機能により、ユーザーひとりひとりのニーズに合わせた文書入力を実現する。

辞書と環境の移行がラクラク

 ATOK 2005 for Mac OS X(以下、ATOK)をインストールし終えたときから、感動に包まれた。旧バージョンを削除するか否かのウィザードが現れたためだ。しかも「辞書やスタイルファイルを保持したまま」である。新バージョンをインストールしてから旧バージョンを手動で削除した上で辞書の統合を行わなければならないと思いこんでいたため(しかもその点が面倒だなぁと感じていたので、新バージョンが発売されてもすぐには食指が動かないというのが正直なところだった)、その手間が省けるのは非常にありがたい。

 引き継ぐ方法として、現状使用している辞書や設定を引き継ぐ「標準」、さらにキーやローマ字割付などの環境をも引き継げる「手動」が用意されている。キーカスタマイズしまくりだった我が身としては、願ったり叶ったりの機能だった。

「ことえり」と比較してみると……

 Mac OS Xに標準搭載されている「ことえり」と単語・文書入力を比較してみた。主に違いが現れたのは、同音異義語に対する正しい漢字の割り当てだ。同じ読みを持つ動詞を文脈から判断して変換する「動詞に対する文脈処理」が優れており、入力に対するストレスが少ない。ほかにも、誤った入力(例では促音の連続)、撥音で終わる言葉の変換などに対し、適した言葉が自動で入力/変換される。

【例文】

■同音異義語
ことえり:このお皿は、有名な陶芸作家の作品です。丁寧に吹いてください。
ここのフルートが一番の聞かせどころです。丁寧に吹いてください
ATOK:このお皿は、有名な陶芸作家の作品です。丁寧に拭いてください。
ここのフルートが一番の聞かせどころです。丁寧に吹いてください。

※確定された前文の文脈を解析して、同音異義語でも変換し分けることができる。

ことえり:習慣の雑誌を読むのが私の習慣です。
ATOK:週刊の雑誌を読むのが私の習慣です。


■文字修正機能
入力文:いつもおせわになっっております。
ことえり:いつもお世話にナッっております。
ATOK:いつもお世話になっております。


■撥音で終わる言葉の入力
入力文:ほんぶN
ことえり:本部ン
ATOK:本文


■話し言葉
ことえり:あの日とすぐに泣いちゃうじゃん。
ATOK:あの人すぐに泣いちゃうじゃん。


ことえり:実際は結構厳し目なんじゃないのかなぁ。
ATOK:実際は結構厳しめなんじゃないのかなぁ。


■方言
ATOK(一般):チャウチャウ茶運茶宇
ATOK(話し言葉関西):チャウチャウちゃうんちゃう
訳:チャウチャウではないのでは?


ATOK(一般):睦子委
ATOK(話し言葉北海道東北):むつこい
訳:かわいそう


■人名優先
ことえり:小ベエはこらえきれなくなって呼びかけた。
ATOK(人名優先):庄兵衛はこらえきれなくなって呼びかけた。
 

 また、ATOKは「話し言葉」に強いのも特徴だ。例えば友だちへのメールやチャットの際にはATOKパレットの「表現モード」から「話し言葉」を選択すれば、普段話しているままに文章を入力しても、わけのわからない漢字が割り当てられることは少ない。表現モードには標準で「関西」「北海道東北」「中部北陸」「中国四国」「九州」「文語」が搭載されているため、お国なまりを駆使した文体もお手のもの。──とはいえ、方言の場合は文脈を読み取る必要が生じる連文節変換が難しいので、単語ごとに変換することをお勧めする。ATOKパレットからは、ほかにも「変換モード」からは「固有名詞優先」「人名優先」「地名優先」が選べるようになっている。

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