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ブログやアフィリエイトがECの流れを変える--NILSレポート1 - (page 2)

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検索エンジンの新しい方向性

 では、従来から集客面で重要な役割を担っていた検索エンジンは、今後どうなっていくのだろう。

 ケンコーコムの後藤氏によれば、同サイトの集客は、以前は検索サイト経由が7割だったが、その割合は年々減少し、現在は45%程度だという。検索エンジン偏重の時期は過ぎたということか。

 しかし、検索エンジンが集客の要の1つであることは、現在も変わりがない。ケンコーコムの後藤氏とゴルフダイジェスト・オンラインの中村氏は、今後について、現在ベータ版が提供されている、ヤフーサーチの本格稼働に大きな期待を寄せている。

 ヤフーサーチには、現在のヤフーのような「登録サイト」「カテゴリ」という枠組みがない。そのため、多くの情報をきちんと整理したコンテンツを持つサイトが、検索上有利になる。これによって、実力ある大手サイトにトラフィックが流れていくのではないかと、両氏は期待している。

 一方、価格比較サイト「ECナビ」は、ヤフーやグーグルといった総合検索サイトに対して、専門検索サイトという位置づけになるだろう。「ECナビ」はモノを売っているのではなく、商品情報をユーザーに提供することで、提携ショップへユーザーを誘導する役割を果たしている。

 ドリコムの内藤氏とアクシブドットコムの宇佐美氏は、今後、商品や求人、旅行情報といった、専門的な分野を検索する検索エンジンの需要が伸びてくると予測する。 現時点では、日本において、「ECナビ」のような価格比較サイトや、求人情報サイトは、検索サイトの1つとしての認識が低い。しかしアメリカではすでに、「プロダクトサーチ」「ショッピングサーチ」は検索エンジンの1つとして認知され、ショップ側からも有効なメディアとして捉えられる一方、ユーザーの利用も増えている。この流れは、今後の日本でも同様のものとなるだろう。

ドリコム 代表取締役 内藤裕紀氏
ドリコム代表取締役の内藤裕紀氏

 ドリコムの内藤氏は、この専門検索エンジンを、「動詞を持つ検索エンジン」だと語る。「買いたい」「泊まりたい」「就職したい」という動詞は、総合検索エンジンでは利用できないキーワードだ。しかし、専門検索エンジンでは、それを利用することそれ自体が、それらの動詞を選びとっているということになる。

 内藤氏は、ビル・ゲイツ氏の「現在の検索エンジンは、キーワードを入れても答えが出てこない」という言葉のアンサーが、この専門検索エンジンにはあるのではないか、と語った。

ポイント戦略の有効性

 ECサイトでの販売面で、忘れてはならないのが、ポイント戦略だろう。「ECナビ」では、1円を10ポイントと換算し、累計で5億円以上をキャッシュバックしている。最近は「ECナビ」のポイントはもとより、提携ショップ独自のポイントも得られることから、ユーザーからの反応は非常に良いという。現在、「ECナビ」経由での販売高は月8億円。1年で8倍になったというが、ポイント制度がこれをバックアップした要因のひとつであることは間違いないだろう。

 このポイント制度は、単なるリレーションツールではないと宇佐美氏は言う。「ECナビ」ではこれをマーケティングデータとして利用し、今後はどんなユーザーがどんな買い物をいくらでしたか、というデータを解析し、今後の広告宣伝などに活かしていきたいと語った。

 逆に、ポイント制度を導入していないのが、「ケンコーコム」だ。後藤氏は、「取り扱い商品の単価が安いこと、運営コストが見合わないことの2点から、サイト開設時は導入していたポイント制度を早い時点で取りやめた」そうだ。

 ポイント制度については、ECサイトの規模、性格によって、導入のメリット、デメリットが大きく分かれるもののようだ。

Eコマースのこれから

 集客と販売という両面からの議論が交わされた今回のセッションだが、IT系のご多分にもれず、非常にスピーディに状況が変化している。

 ここ1、2年のスパンでは、引き続きブログ、アフィリエイトの有効活用が、ECサイトにとって、大きな課題となるだろう。さらにRSSリーダーの普及状況を確認しつつ、その対応も視野に入れるべきだ。さらに検索エンジンの専門化が、さらに、ユーザーの動線を変化させることも予想される。

 日々刻々と変化する、Eコマースの世界。いかに素早く対応できるかが、大きな分かれ目になるのは明快だ。

宇佐美氏・後藤氏・内藤氏
ECの現状と将来像について語る宇佐美氏、後藤氏、内藤氏

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