ITベンチャー企業家たちが密かに集まるサミット仕掛け人の思惑 - (page 3)

聞き手:西田隆一(編集部)
構成:木原美芽
2005年06月29日 08時00分

--良い循環が回りだしているのですね。そして第二、第三世代が生まれ、起業家を目指している、と。

 そうです。経営者の質は過去と比較して非常に上がってきている反面、年齢は下がっている傾向にあります。

--テクノロジー系の成功事例が少ない理由は何なのでしょうか。

 人材は多くはありませんが、良い人はいます。一番の問題は資金です。大きなものを開発するには、さすがに30億円、40億円というコストがかかります。その資金の出し手が今の日本にはいないのです。複数のベンチャーキャピタルが集まったとしても、10億円、20億円がいいところでしょう。資金が集まらない大きな理由は、開発している限り売上が立たないという点です。売上が見える段階まで、持ちこたえられる環境がないのです。

 またもう1つの理由にEXITがあります。IPOと買収という2つの可能性を持つインターネット系と違い、テクノロジー系にはIPO以外、現状ではEXITの方法がないのです。日本の大手企業はベンチャー企業を買収しません。評価ができないのでしょう。

 とあるベンチャーキャピタリストが試算したところによると、テクノロジー系企業への投資は儲からないという結果が出たそうです。リスクが高い割にリターンが少ない。バランスが悪いわけです。

 ですから、われわれとしての課題のひとつに、魅力あるテクノロジー系の企業、人材を探すことがあると考えています。そういう人を見つけて、お金の集まる仕組みを作り、バックアップする努力もっとしなければなりません。今の既存企業の枠組みでテクノロジー系企業は成功しづらい。NILAを活用して新しい仕組みを作り、成功事例を早く1社でも作らねば、と考えています。

--そのように成功産業がまた、さらに新しい成功産業を生み出す、良い循環作りをされたいということですね。NILAが10年、20年続いていけば、今の経団連とはまったく違う新しいパワーを持った組織になるでしょうね。

 そのためには、業界のエコシステム、生態系を作らねばなりません。お金やテクノロジーが循環し、企業が大きくなったら、小さな会社を買ったり育てたりする仕組みをです。NILSは常に次世代の注目企業のプレゼンテーションの場であり、多くの企業同士のマッチングの場でありたい。それを作り続けるのが、われわれベンチャーキャピタルの使命だと思っています。

 今後は、産業界だけでなく、政治の世界とも連動しかねばならない。新しい産業に精通した政治家をいかに作りだすか、そしてそういう方々にもNILAに参加していただき、互いに刺激しあい、情報交換できるようにしていきたいですね。新興勢力というものを上手く作って、日本がいい発展をしていけるようにするのが、目標です。

--今後のNILAの活動について、教えて下さい。

 ある程度の人々を集めることができたので、第一ステップとしては、成功したと思っています。今後は人員規模を増やすとともに、ネットワーク作り、ディスカッションの場作りという側面を強化するため、分科会を積極的に作っていきたいですね。

 次回のNILSからは、経営者だけでなく、経営幹部まで参加をOKとしました。これは起業家予備軍である彼らが、多くの起業家と触れ合える場を持つことで、独立を促したいという意図があります。参加者の中から、起業家を生みだしていく。これもまた循環のひとつで、言わば拡大再生産ですね。

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