ドリコムは5月24日、ウェブサイトを簡単に作成して管理できる企業向けのコンテンツ管理システム(CMS)「ドリコムCMS」を発表した。同社の提供するブログシステムをベースとし、ウェブサイトの階層管理機能などを追加して企業向けにカスタマイズした。
ドリコムはこれまで、企業向けの製品としてブログホスティング用のパッケージ「ドリコムブログシステム」や、社内ブログ用システム「ドリコムブログオフィス」などのブログソリューションを提供してきた。コンテンツの作成や管理はブログでも可能なため、ブログをCMSとして利用する企業もあったが、「ブログは個人向けCMSだと考えている。これは、日記などのように日付けやカテゴリ別に分けるコンテンツを効率よく運用できるシステムだ。しかしブログにはウェブサイトに必要な階層管理などの機能が存在しない。そこで本格的なウェブサイト作成システムとなるCMSの需要を感じ、ブログシステムを半年かけて企業向けCMS製品へと発展させた」と、ドリコム代表取締役の内藤裕紀氏は開発の経緯を説明した。
ドリコム代表取締役 内藤裕紀氏 |
ドリコムCMSは、標準的なウェブサイト作成ソフトと同様に、文字装飾やテーブル作成などがWYSIWYGエディタで直感的に操作できるほか、画像の加工機能も備えているため、「ホームページ作成ソフトや画像ソフトを使わずにサイトが構築できる」と内藤氏は説明する。サイト全体の色やレイアウトなど、デザインの統一も一括して行うことが可能だ。また、ブログや検索技術で実績のあるドリコムならではの機能として、SEO効果を出すためのキーワード設定やRSS自動生成、トラックバックなどの機能も備わっている。
ドリコムCMSではサイトの移行も簡単に行える。ブラウザに表示した既存サイトをそのままコピーし、ドリコムCMSのWYSIWYG編集ページに貼り付けるだけで移行は完了だ。移行したサイトは、ドリコムCMSの持つRSSやトラックバックなどの機能をすぐに利用できる。
市販されている既存のCMSは、主に中規模以上のサイトをターゲットとした製品が多く、こうした製品は最低構成でも価格が数百万円から1000万円程度となっていた。ドリコムCMSは、ASP版とパッケージ版(サーバインストール型)が用意されており、ASP版は主にレンタルサーバ会社などとの提携の下で提供される。提携企業のレンタルサーバを利用する中小企業や個人事業主をターゲットとしてCMSの機能を提供する方式だ。ASP版のスタート時期や価格は未定だが、月額2000円〜5000円程度となる見込みだ。ドリコムではASP版を提供するにあたって、現在数社と交渉中だという。
なお、パッケージ版はすでに販売を開始しており、価格は個別見積りとなる。ドリコムでは同日、約1万2000サイトの制作を手がけた実績を持つテレウェイヴリンクスに対し、ドリコムCMSを導入したと発表している。
ドリコムCMSの導入目標として内藤氏は、「ASP版を中心として、早期に10万サイトに利用してもらうことを目指している。提携企業が増えれば増えるほど利用者は増えるため、今後も月1社程度と提携していきたい」としている。
ドリコムCMSの管理画面(クリックすると拡大します) |
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