PHPは、業界の注目が高まりつつあるウェブアプリケーションを短時間で開発するためのスクリプト言語の1つだ。スクリプト言語のなかで最も普及しているのはPHPだが、ほかにもPython、Perl、Rubyなどがある。
スクリプト言語は一般的に、極端に高いパフォーマンスを必要としないウェブアプリケーションを作成するのに用いられる。だが、主要なビジネスソフトウェア企業が次々とスクリプト作成ツールを開発する中、公開から時間がたったものは、次第に成熟を見せるようになった。
2005年初頭にはIBMもZendと契約を結び、PHPを使って「DB2」および「Cloudscape」データベースと連動するアプリケーションを簡単に記述できるようにすることで合意している。IBMは、同社の開発者用ウェブサイトで公開している、PHP開発者向け技術素材の拡充も行っている。
自社製品にはいまだオープンソースのスクリプト言語を使用していないMicrosoftだが、2004年にスクリプト言語「Jython」を開発したJim Huguninを雇い入れている。現在Huguninは、「IronPython」というプロジェクトに携わっている。同プロジェクトの目的は、.NETの「 Common Language Runtime」にPythonのサポートを追加することだ。
Microsoftは同時に、同社が力を入れる「Visual Studio」製品ラインを、ウェブ開発者にとってより使い勝手のよいものにするための投資を続けている。今年の後半には、C#もしくはMicrosoftがサポートしている言語に対応した、ローエンドユーザー向けツール「Visual Web Developer Express」をリリースする予定だという。
Microsoftのウェブプラットフォームツール部門プロダクトユニットマネージャScott Guthrieは、ビジネスアプリケーションを短期間で開発したり、既存アプリケーションのテンプレートを修正したりするために、スクリプト言語を使用する企業は増えていると話している。
「スクリプト言語を独学で習得したユーザーの中には、みずからをスクリプターと称し、大きなコミュニティを築いている人もいる。こうしたコミュニティこそ、Microsoftがターゲットとする重要な顧客層なのだ」(Guthrie)
Javaを開発したSunも2005年初め、「Coyote」と呼ばれる取り組みを開始し、同社が支援するオープンソースツールプラットフォーム「NetBeans」にスクリプト言語機能を搭載しようとしている。NetBeansは現段階ではJava開発のためだけに使用されているが、Coyoteプロジェクトが進捗すれば、ユーザーはGroovyやJython、のちにはその他のスクリプト言語も利用して、コードを記述できるようになるだろう。
大手ソフトウェア開発ベンダーの顧客に対するマーケティング方法は変化しつつあるが、前述の一連の取り組みはこうした傾向を反映するものだと、RedMonkのアナリストStephen O'Gradyは分析している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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