家庭のブロードバンド化、企業の個人情報保護対策が進む--総務省調査

永井美智子(編集部)2005年05月11日 17時47分
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 家庭のインターネット環境はブロードバンド化、モバイル化が進展しており、企業のセキュリティ対策が進んでいる--総務省が5月10日に発表した2004年末の通信利用動向調査から、このような現状が明らかになった。

 この調査は家庭や事業所、企業における電気通信・放送サービスの利用実態を把握するために総務省が1990年から毎年行っている。今回の調査は全国の20歳以上の世帯主がいる家庭や常用雇用者が5人以上の事業所、および情報雇用者が100人以上の企業を対象に実施し、3695世帯、2970事業所、1865企業から回答を得た。

 まず、インターネットの利用者数は前年比218万人増の7948万人となり、人口普及率は同1.7ポイント増の62.3%となった。世帯普及率は同1.3ポイント減の86.8%で横ばいだが、ブロードバンド回線の利用率は62.0%と前年に比べて14.2ポイント増加し、半数以上の世帯がブロードバンド回線を利用していることが明らかになった。

 個人がどのような端末からインターネットを利用しているかを見ると(複数回答)、パソコンから利用している人は全体の80.7%にあたる6416万人と最も多い。しかし、携帯電話やPHS、携帯情報端末からの利用者も全体の73.3%にあたる5825万人となり、前年比1341万人増と大きく伸びていることから、モバイル化が進んでいることがうかがえる。パソコンと携帯電話を併用すると答えた人は全体の54.1%と半数以上を占める。なお、携帯電話の世帯保有率は91.1%、パソコンの保有率は77.5%となっている。

 また、IP電話の導入も進んでいる。IP電話を利用している家庭は12.7%で、前年から5.4ポイント増えた。IP電話の導入で電話料金の削減効果があったと認識している家庭は46.0%と半数近い。

 企業のIP電話導入率は家庭を上回るスピードで伸びており、前年比16.7ポイント増の27.8%と4分の1を超えた。事業所間内線での導入率が20.2%と最も高く、外線での利用は15.0%にとどまる。IP電話を導入した理由として最も多いのは「通話料の削減」で87.6%。「PBXの保守・運用コストの削減」や「電話移設コストの削減」を挙げた企業も10%以上いた。

 個人情報の保護対策状況については、企業通信網またはインターネットを利用している企業のうち、何らかの個人情報対策を実施していると答えた企業は56.5%で、前年に比べて16.6ポイント増と大きく進展した。内訳は「社内教育の充実」が30.9%と最も多く、ついで「個人情報保護責任者の設置」が23.4%、「必要な個人情報の絞り込み」が20.0%で、「プライバシーマーク制度の取得」も前年の2.1%から5.0%に増えた。

 企業がCIO(最高情報責任者)を設置している割合は16.0%で前年と同じ。専任のCIOを設置している企業は2.5%で、ほとんどがほかの業務と兼任していることがわかる。

 企業における情報通信ネットワーク利用上の問題点または利用を妨げる問題点について聞いたところ、「セキュリティ対策の確立が困難」と答えた企業が66.8%、「ウイルス感染に不安」と答えた企業が61.3%にのぼり、セキュリティ関連問題が上位を占めた。また、「従業員のセキュリティ意識が低い」「運用・管理の人材が不足」などの人材面での問題を挙げる企業も多かった。

 総務省が発表した調査結果の内容は、同省のサイトからダウンロードできる。

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