中国進出を果たした日系メーカーのNEC
1990年代に中国進出を果たした日系の携帯端末メーカーは、松下電器産業、NEC、三菱電機、ソニーなどのGSM端末を生産している企業だ。2002年にチャイナユニコムがCDMAシステムを導入すると、東芝や京セラといったCDMA端末メーカーも中国企業との合弁で同市場に乗り込んだ。ただ、中国における日系メーカーの発展は決して順調とはいえない。松下が一時期「GD88」という人気機種でシェアを伸ばしたが、その直後に同端末の世界時計部分に「ROC」(台湾の正式国名)が入っていたことでバッシングされ、勢いが止まった。一方で、近年最も活発に動いているのはNECである。
NEC通訊(中国)業務計画部 総監 浪岡博孝氏
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NECは2004年5月、元モトローラ中国のバイスプレジデントで携帯電話事業の責任者だった盧雷氏を引き抜き、中国の第3世代携帯電話市場に本格参入するための新体制「NEC通訊(中国)」を確立した。同氏はこの新体制のトップに就任し、2004年に20種類以上のモデルを発表した。最近では、中国の中央テレビで最も視聴率の高い番組の広告枠を半年間7158万人民元(約9億3000万円)で落札するなど、業界でも注目の的となっている。
NEC通訊の現状や今後について、同社 業務計画部の総監 浪岡博孝氏に聞いた。
--スタッフを増員されたようですね。
はい。昔この北京オフィスはNEC武漢中原(NEC中国の携帯端末生産工場)のセールス事務所のような組織でしたが、2004年に再編して組織が大きくなり、中国人スタッフも大量採用しました。現在では端末デザインから営業販売、マーケティングに至るまで、中国人スタッフが第一線で活躍しています。
--現段階におけるNEC通訊の携帯電話事業の重点は?
まずNECブランドの知名度を上げることですね。携帯電話におけるNECブランドは、中国で2003年にN8モデルが発売される以前はほとんど消費者に認知されていませんでした。現在は、テレビCMや広告看板などが定番ですが、最も効果のあるメディアで消費者にブランドを認知してもらうことに集中しています。また、端末のラインアップも増やしました。2004年度にNECは24モデルを発表し、ハイエンドモデルからミッドレンジモデルまでをカバーしました。豊富なラインアップでニッチ市場まですべて対応し、シェアを伸ばそうと考えています。実際NECの市場シェアは、2004年までは20位以下でしたが、2004年12月には14位となっています(中国の調査会社SINO-MRの2005年1月のデータによるもの)。
北京のNEC専門店
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--王府井(北京のショッピング街)でNECの携帯電話専門店を見かけました。あれはNEC通訊の直営店ですか?
いいえ、あれはディーラーの場所を借りて出した専門店です。あのように、店内にNEC製品しか置いてない専門店は全国に2店しかありませんが(もう1店は広州)、NECコーナーが設置されている販売店は全国に2000店以上あります。今後、NECコーナーの設置店舗を徐々に増やしていく予定です。
--今後のNEC通訊の目標は?
近いうちに中国国内における携帯端末の年間出荷台数を500万台とすることが目標です。
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