HP、NCRのCEOを次期最高経営責任者に指名 - (page 2)

Dawn Kawamoto(CNET News.com)2005年03月30日 10時07分

 Hurdが2年前にNCRの指揮をとるようになって以来、アナリストらは同氏のパフォーマンスを高く評価してきた。HurdがNCRのCEOに就任した当時、株式分割調整後のNCR株価は9.06ドルだった。それが28日には1株あたり37.90ドルで通常取引を終了している。

 Shareholder Value ManagementのアナリストJeff Embersitsは、「HurdがCEOに就任するまでの3〜5年間、NCRの経営状態は芳しくなかった。だが、その後わずか9カ月足らずで、Hurdなら何かやってくれるという期待感を持てるようになった」と述べ、「Hurdは、さまざまなスキルに長けている。HPでも、おそらくは戦略、製品、マネジメント、コストという順番で、それらの方向修正にらつ腕を振るうだろう」と続けた。

 Hurdは、HPのCEO就任後9カ月以内に、同社の経営陣を刷新し、戦略を修正する可能性がある。だが、そうした構造改革の成果は、12カ月〜18カ月を経過するまでは表れないと、Embersitsは予測している。

 HurdがNCRでCEOを務めていた間、同社は8四半期連続で予想を上回る利益を計上することを事前発表したが、一部のアナリストはこれを冗談めかして、Hurdのウォール街「特攻」と呼んだ。しかし、同社の業績が好転してからは、HurdによるNCRの業績予測値がウォール街の予測値と95%程度まで一致するようになったと、Embersitsは付け加える。

 これと好対照を成すのが、Fiorina率いる当時のHPの業績だ。HPはこの間、同社の売上がアナリストの予測値を下回る可能性があるとして、大規模な警告を再三発していた。

 CEO在任中、HurdはNCRに短期間で変革をもたらすことができた。だがHPでは、それほどすぐには改革が進まないかもしれない。Hurdは、CEOに就任するまでNCRで20年以上キャリアを積んでおり、同社について熟知していたからである。

 またHurdは、HPの指揮を執り改革を断行するうえで、DellやIBMなどの企業との熾烈な競争や、NCRの10倍にも及ぶ売上高と格闘しなければならなくなる。

 Technology Business ResearchのアナリストChris Fosterは、「これは戦略に対する挑戦だ。HPの主体を、ハードウェアから、ソフトウェア/サービスへ転じさせ、実行力ある企業へと生まれ変わらせるものだ。テクノロジーの未来は、PCやサーバにあるのではない。IBMのように、ソフトウェアとサービスが企業の駆動力となりつつあるのだ」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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