濡れ手に粟?
すべてのパートナーが売上の一部をAppleに渡すことを良しとしているわけではないが、Appleにとってはメリットがリスクを上回る、とPiper JaffrayのアナリストGene Munsterは語る。
「この市場形成を助けている人々を怒らせるリスクは非常に低い。現実問題、アクセサリ市場の動向はAppleの判断1つで決まっていく。Appleにとってはアクセサリメーカーに負担を求める大きなチャンスだ」(Munster)
同氏によると、このプログラムの対象になるiPod用アクセサリの卸売販売高が2億5000万ドルになると仮定した場合、Appleは今年最大で2500万ドルを得られることになるという。
「『濡れ手に粟』で利益を得るチャンスだ。Appleが黙っているわけはない」(Munster)
Appleは、余分に得たこの資金を活用し、既に強力なiPodのマーケティング体制をさらに強化できる。Munsterによると、2500万ドルあれば、30秒のケーブルテレビスポットをおよそ2500本買えるという。
「Appleの武器は強力なブランドであり、CMの展開はそれをさらに強化する」(Munster)
iPodはAppleのビジネスにとって非常に重要な製品となった。Appleは前四半期に、Macの4倍に相当する数のiPodを売りあげた。それを受け、同社は前四半期に過去最高の売上と利益を計上している。
アクセサリ市場も活況を呈している。アクセサリの市場規模は年間数億ドルに達すると、多くのアクセサリメーカーは予測する。
プログラムへの参加を判断する際にアクセサリメーカーが直面する課題の1つとして、Appleが、iPodのメーカーであるだけでなく、直営のオンラインストアや小売店を擁する最大のアクセサリ販売チャネルの1つでもある点が挙げられる。
Van Harlingenによると、アクセサリメーカーにとって、Appleの小売り店およびオンライン店舗の両方で商品を取り扱ってもらえるか否かが、Apple認定プロセスに参加するかどうかの判断を左右するという。
Van Harlingenは、「そこが重要だ。これが優れた販売チャネルであるだけでなく、優れたマーケティングツールでもあることは間違いない」と述べる。消費者は必ずしもAppleストアでアクセサリを購入するわけではないが、そこにあるものを見て購入する製品を決めることが多い、と同氏は指摘する。さらに、Van Harlingenの会社では、小売業者がロゴプログラムに関心を持っていることも認識しているという。小売業者は、ロゴの付いた製品を取り扱っていることを、セールスポイントにしたいのだという。
「Made for iPod」プログラムは始まったばかりだが、Appleはかねてからアクセサリ市場で特定の役割を担ってきた。以前のプログラムでAppleは、iPodのリモートコネクタやドックコネクタを利用したいと考えるユーザーに対し、Apple認定サプライヤーから提供される製品を使うよう求めていた、と先の情報筋は述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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