サンの統合開発環境最新版、UMLツールつきで年間55万円

藤本京子(CNET Japan編集部)2005年01月19日 19時23分

 サン・マイクロシステムズは19日、Javaアプリケーション開発のための統合開発環境(IDE)最新版、Sun Java Studio Enterprise 7を発表した。Java技術をベースとしたアプリケーションとWebサービスの設計や開発、テスト、導入までに必要な環境を提供する。

 Java Studio Enterprise 7は、オープンソースでマルチプラットフォーム対応の開発ツールNetBeans 3.6 IDEをベースに開発されたもの。サン・マイクロシステムズ プロダクトマーケティング本部 本部長の纐纈昌嗣氏によると、NetBeans 3.6は、J2SEの最新版となる5.0に対応した唯一の統合開発環境だという。

サン・マイクロシステムズ プロダクトマーケティング本部 本部長 纐纈昌嗣氏

 同製品の新機能の大きな特徴のひとつは、UML(Unified Modeling Language)モデリングツールが内蔵されていることだ。サン・マイクロシステムズ シニア・ソリューションアーキテクトの藤井彰人氏は、UMLをアプリケーション設計に利用している開発者が42%で、UMLの機能がIDEに必要だと考えている開発者が49%いるとのデータを引き合いに出し、「Java Studio Enterpriseのテーマとして、UMLをメインストリームの開発者に提供するということがある」と述べる。同ツールはUML2.0仕様に準拠しており、IBM Rational Roseのモデル図もインポートできるという。

 またJava Studio Enterprise 7には、複数の開発者による共同作業を円滑に行うためのコラボレーション機能が備わっている。これは、特に遠隔地での開発をスムーズに行うためのもので、開発者のためのIDE用インスタントメッセージング機能が組み込まれているという。チャットチャネルでは、テキスト、Java コード、HTML、XMLなどの形式でメッセージの交換ができ、ファイル共有チャネルでは、チームメンバー間でファイルの共有や編集ができるという。

 同製品には、サンのミドルウェア製品群Sun Java Enterprise Systemに含まれるアプリケーションサーバやディレクトリサーバなど、6種類のサーバソフトウェアが統合されているほか、J2EEアプリケーションを構築するためのSun Java Studio Webアプリケーションフレームワークや、ポータルコンポーネントのひとつであるポートレットを作成するためのプラグイン、ポートレットビルダーが付属する。

 Java Studio Enterprise 7の価格体系は、開発者数による永久ライセンス方式と、従業員数による年間サブスクリプションモデルの2種類となる。サブスクリプションモデルでは、従業員1人あたり年間550円(税別)とし、1000人以上のライセンスから販売する。従業員数1000人以下の企業の場合、料金は年間55万円(税別)。開発者数によるライセンス方式では、開発者1人につき28万4000円(税別)となる。纐纈氏は、同社が多くの製品でサブスクリプション型のライセンス方式を提供している理由について、「ユーティリティ方式の考えが普及し、使った分だけ料金を支払う方向に進みつつある。これをサンでも推奨していきたいためだ」としている。

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