著名なオープンソース提唱者のBruce Perensも、Solarisのオープンソース化について懐疑的な見方をしており、その理由としてSunの実績の乏しさを挙げている。Sunは、Microsoft Officeに代わるOpenOfficeのソースコードを公開しているが、同プロジェクトに関しては「極めて小さい」開発者コミュニティしか生まれていないと同氏は指摘する
Perensはさらに、オープンソース版Solarisの効果を期待するのは手遅れだ、とも加えた。「5年前ならだれもがOpenSolarisに飛びついただろうが、今はLinuxのほうが(オペレーティングシステムとして)かなり先を行っている」(Perens)
Schwartzによると、SunではSolarisをLinuxと同じGeneral Public License(GPL)でリリースする選択肢も排除していないという。そうなると、核となる機能の統合は技術的に難しいかもしれないが、理論上はSolarisの構成要素がLinuxに採用されたり、その逆の流れが生まれる可能性が出てくる。
ソースコードが公表されれば、プログラマーは必ずそれを細かく調べるだろう、とRaymondは言う。
「一度オープンソース化されると、貴重な技術にはオープンソース関係者がアリの大群のように飛びつき、興味深いものは持ち去っていく」(Raymond)
このライセンス供与条件は、オープンソース版SolarisをSunが望む方向から逸脱させていくだけの力を部外者に与えることになる、とWeinbergは語っている。「コミュニティがどの方向に進めていくのかについては何とも言えない。だが、違いは最小限にとどめておきたいとの考えは明確にある」(Weinberg)
SunのものとオープンソースのSolarisとの違いは、Red HatのEnterprise Linuxと、無償だが未サポートのFedora Coreバージョンとの違いと同じようなもの--つまり、前者にだけサポートと認定が付くようになるだろう、とSchwartzはいう。
OpenSolarisは、パフォーマンスの改善、コンピュータの詳細なパフォーマンスをテストするDtrace機能、サーバを独立した複数のマシンに分割するN1 Grid Containers、予測型の自己回復機能など、Solaris 10の主な機能をすべて備えたものになると見られている。
Sunは、これらの機能の多くをSolaris 10のプレビューバージョンに搭載して、数カ月前から逐次リリースしてきた。
Weinbergは、Solarisのコンポーネントでも、さほど重要でないものについては公開されないだろう、と語っている。また、同OSと特定のハードウェアとの通信を可能にするドライバには他社の知的財産が含まれるケースが多い。このようなドライバもリリースされないと同氏は述べている。
Solaris 10の最初のバージョンに搭載されない主力コンポーネントが1つある。Linuxアプリケーションをそのままx86 Solaris上で動作させるJanusだ。この機能は、Solaris 10の最初の四半期アップデートで追加され、当初はRed Hat Enterprise Linuxの認定を受けたプログラムしか動作しない、とWeinbergは語っている。
しかし、SunがこれらのアプリケーションについてSolaris上での動作を保証したわけではない。「保証には消極的だが、ただし検討は進めている」とWeinbergは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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