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エルピーダメモリが11月15日に東証に新規上場

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 国内唯一の総合DRAMメーカーであるエルピーダメモリが、11月15日に東証に新規上場する。4月下旬以降のNEC、日立製作所など主力ハイテク銘柄の株価下落傾向に歯止めがかからず、年初来の安値圏での軟調な推移となっているなかでの新規上場だけに、強弱感が対立し、さらに注目度が高まっている。

 同社は、NECと日立がそれぞれ個別に展開していたDRAM事業を統合し、両社の折半出資による合弁会社として99年に設立された国内唯一の総合DRAMメーカー。DRAMとは半導体のなかで、低コストで集積度が高く、データの書き込み、読み出し動作に適していて、汎用的に使用されるメモリのことだ。同社ではDRAMの開発、設計、製造、販売のほか、メモリを中心とする半導体製品の受託生産を手掛けている。同社グループは、国内子会社1社、海外子会社5社により構成されている。

 当初はDRAM製品の開発、設計を主力としていたが、その後同社は販売、生産も手掛けるようになる。ワークステーション、サーバ、デジタル家電、モバイル機器、汎用パソコン向けなど、幅広い市場に向けてDRAMを販売している。さらに1事業への依存度を低下させるため2001年からメモリを中心とした半導体製品の受託生産も行うようになった。2003年には三菱電機からDRAM事業を譲り受け、現在では国内で唯一の総合DRAMメーカーとなっている。

 ワークステーションやサーバ向けは、大容量(高集積)で低消費電力・低電圧性に秀でたDRAM製品が求められるうえ、大容量化を実現するパッケージ技術も必要とされる。デジタル家電、モバイル機器向けは、最終製品の小型化、軽量化が進展していることから、必然的にデバイスとして組み入れられるDRAM製品も、より小型でかつ高密度のものが求められるようになっている。同市場は、現時点では汎用パソコン向け市場に比べると規模は大きくないものの、今後急成長が見込まれる分野として期待されている。汎用パソコン向けはかつてDRAM製品市場をけん引し、総需要の3分の2程度を占めていた。しかし最近は徐々にその比率が低下し、現状では60%程度となっている。この分野では汎用性の高い製品が主流となり、技術力よりも価格対応能力、あるいは供給能力が重視されることから、需給バランスの変動により極端な価格の上昇・下落が起こりやすく、業績へのリスク要因となる懸念もある。

 さらに、業績面では依然として不安定さが残っているといわざるを得ない。設立後5年間連続して赤字決算だったが、事業が軌道に乗り、ようやく今3月期連結業績で初の黒字化を予想している。同社では、今期の2005年3月期の連結業績について、売上高2201億円(前期比2.2倍)、経常利益232億円(前期は254.6億円の赤字)、純利益216億円(同268億円の赤字)、予想1株利益242円と見込んでいる。公開価格は11月4日に正式決定されるが、有価証券届出書提出時における想定発行価格は3400円となっており、これに近い水準で決まるものと予想される。

 上場後の株価推移について市場関係者は、「全般の相場環境が好調な時期であれば、大手の有力IT関連企業ということもあり、今期予想1株利益242円から試算して、PER20倍程度の株価5000円水準への上昇は十分期待してもいいところだ。しかし、全体相場の低迷傾向、主力IT関連銘柄の下値模索状態などを考慮すると、公開価格から大きな上昇をみせての初値の形成はやや難しそうだ」としている。

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