Microsoftの幹部らによると、今回の計画変更は、同社が各コンピュータメーカーやソフトウェア開発者、顧客らと何カ月にもわたってやりとりを続けた末に決断したものだという。コンピュータメーカー各社は、Microsoftに対して、Longhornのリリースを2007年まで引きずらぬよう働きかけたといわれている。
2006年中にLonghornをリリースするには、同OSからWinFSを外すことになる、とAllchinは説明した。Microsoftでは現在、この新しいストレージシステムのコンセプトをさらに十分な形で実装することができ、またサーバ用とデスクトップ用の両OSで同時にこの実装が行えるようになったと考えている。WinFSをLonghornの一部として出そうと思えば、こうしたことは不可能だろう。
この計画変更によって、Gatesが「究極の目標」として長年口にしてきた「統合型ストレージシステム」というビジョンの実現が遅れることになる。こうしたシステムでは、たとえば文書を誰が作成したか、あるいは誰がそれに手を入れたかといった様々なカテゴリによって、あらゆる種類の文書を分類できるようになるといわれている。Microsoftでは、ファイルの種類に関係なく文書を探せるよう強化した検索技術が、Longhornの重要な機能であることに変わりはないとしている。
同社はすでにMSNツールバーのプロトタイプをデモしているが、これはコンピュータユーザーがファイルや電子メールの内部、あるいはメールの添付書類のなかからでも、キーワードを素早く探し出せるようにするものだ。すでにウェブ検索の分野では競争が非常に激化していることから、ローカルのハードディスクを対象にした検索は、Googleのようなライバルを相手に戦うMicrosoftにとって鍵を握る分野と見られている。
Longhornのコードベースは、MicrosoftがWindows Server 2003のSP1で採用するのと同じものになる。このアップデートは来年前半にリリースされると見られている。Allchinによると、このコードベースを利用するとの判断は、何カ月か前に下されたという。
このコードベースのメリットは、従来の32ビットプロセッサでも、新しい64ビットチップでも動作することだという。
こうした点がすべて重なりあう結果、Longhornは開発者にとって、より好ましい製品となるだろう、とMicrosoftは述べている。
同社はLonghornのリリースまでに、Windows XPシリーズに数多くの追加を行う予定で、そのなかにはエンターテインメント指向のOS「Media Center」の新バージョンもある。同社はまた、ジュークボックスソフト「Media Player」の新バージョンや、「Media Center Extender」「Portable Media Center」といった製品の準備も進めており、こうした新製品の追加によって登場から3年が経つWindows XPの新鮮さを保とうとしている。そして、同社は「Windows XP Reloaded」と題した広告キャンペーンを展開し、こうした新しい製品すべてを売り込むことで、XPへのアップグレードを促す計画を立てている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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