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「2006年には経常利益10%に」--復活を誓うパワードコム

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年07月28日 23時45分
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 「2004年度下期には営業損益を黒字化し、2006年度には売上高3000億円、経常利益10%以上を狙う」---パワードコム代表取締役社長兼CEOの中根滋氏は7月28日、同社の再建に向けた経営計画を発表した。

  パワードコムは企業向けに通信インフラを提供する電力系の通信会社。業績不振が続いており、2003年度の売上高(営業収益)は1693億2700万円、営業損失が78億7600万円、経常損失が120億5600万円、当期純損益は143億7600万円の赤字となった。この結果、2004年3月末には有利子負債が2506億円にまで拡大している。

  中根氏は赤字の理由について、「売上高に占める通信設備使用料などのインフラコストが高すぎることが原因」と分析。競合他社のインフラコストが売上高の40%程度なのに対し、パワードコムは約70%を占めていた。「“NTTより安く”を目指したが、これでは儲かるわけがない」(中根氏)

NTTに対抗できるのは電力系だけ

パワードコム代表取締役社長兼CEOの中根滋氏

  ただし中根氏は、財務体質を改善することで「再生は可能」と言い切る。大規模法人を中心に約4000社、2万回線の顧客がおり、電力系12社合計ではNTTの73.5%にあたる約25万kmの光ファイバ網を持っているというのがその理由だ。「NTTに対抗できるのは電力系しかない」(中根氏)

  同社では財務体質の改善に向け、9月末に減資と増資を行う。現在の資本金420億6185万円のうち、420億5185万円を減資して累積損失を解消するとともに、東京電力など電力系10社に対して900億円の第3者割当増資を行う。

  課題のインフラコストについては、固定資産約800億円の減損処理を行って減価償却費を下げるほか、設備投資の抑制と最適化を行うことで、他社並みの水準に押さえる方針としている。「今までは商品原価を管理する体制ができていなかった。原価レベルでNTTと互角に戦えるような競争力をつけたい」(中根氏)

 中根氏は社内の体質改善も積極的に行うという。すでに経営スピードの高速化や経営陣の若返り、年度実行計画を必達させるコミットメント化などを行っているほか、顧客を理解しソリューションを提供する「超顧客主義経営」を徹底させるとしている。

  2004年度の連結ベースの業績は、売上高(営業収益)が1892億円、営業損失が59億円、経常損失が106億円、当期純損失が928億円の赤字と見込む。ただしマーケティングや営業の強化を行うことで、下期の営業損益は13億円の黒字になると予測している。

電力線通信や第4世代携帯電話にも意欲

  中根氏は将来の事業展開についても言及した。2010年には第4世代(4G)携帯電話や電力線通信(PLC)が登場すると予測し、参入に意欲を見せる。4Gについては、「我々が直接参入するのではなく、既存の事業者と組んで顧客を満足させるような展開をしていきたい」(中根氏)と話す。

  PLCは、同社の親会社である東京電力が総務省から許可を得て実験を進めているが、中根氏は「PLCとRFIDを組み合わせたソリューションをそろそろ出す時期に来ている」と発言。「この分野では米国が強く、放っておいては負けてしまう」(中根氏)と焦りの色を見せた。

  今後は法人向けソリューション事業に積極的な投資を行っていく方針。将来的にはIPOやM&Aなども行いながら、「売上高1兆円を目指す」(中根氏)と意気込んだ。

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