Apple Computerは米国時間1日、全く新しいiMacの開発が進んでいることを正式に認めた。ただし、発売が9月以降にずれ込むために、旧モデルの在庫が切れてしまった後しばらくの間iMacが店頭から姿を消す可能性も出てきた。
同社では、現行モデルのiMacの受注をすでに停止しており、この供給が止まる前に新型iMacを発売したい考えだったと述べている。
Appleは声明の中で、「現行のiMacは今後数週間以内に在庫がなくなるが、われわれはそうなる前に次世代iMacを用意する計画だった。しかし、この計画は明らかに完璧ではなかった」としている。
同社は、新モデルを9月に発表と同時に発売するとしていた。「お客様にご迷惑をおかけして申し訳ない」(Apple)
現行のフラットパネル型iMacが登場したのは2002年1月だった。
Appleのある関係者は、6月30日締めの第3四半期の収益には、この問題の影響はないとしたが、7月から9月までの第4四半期への影響についてはコメントを控えている。
Appleの株価は、今週のデベロッパーカンファレンス開催に先立ち、数年ぶりの高値で推移していたが、6月28日にCEO(最高経営責任者)のSteve Jobsが新型Macを発表しなかったことで値下がりしていた。1日に、iMac発売延期の噂がウォールストリートに流れると、株価は時間外取引でさらに6%下落した。
iMacは、Appleのコンシューマー向けデスクトップのメインモデルだが、ノートPCへの移行や、iPodミュージックプレイヤーの人気の影響で、同社全体の売上に占める割合は低下している。Appleは前四半期、21万7000台のiMacとeMac(同社では両モデルの売上数を別々に公表していない)を販売し、全体で19億ドルあった売上のうち2億5200万ドルを占めた。
発売遅延の背景にどのような問題があるのかは明らかではない。IDCのアナリスト、Roger Kayは、「1つの可能性としては、重要なサプライヤーが計画通りにパーツを供給できなかったということが考えられる。おそらく開発サイクルの終盤で設計上の欠陥が見つかったのかもしれない」と語った。
チップを製造するIBMは、Power MacとXserveの両シリーズが採用するG5プロセッサの需要に対応できていない。新型iMacがG5を採用するかどうかは明らかになっていない。この点に関して、IBMの関係者からコメントを得ることはできなかった。
大手コンピュータメーカーがメインのデスクトップモデルの出荷を停止したケースは思い当たらない、とKayはいう。同氏は、Appleが新型で問題が発生したときに旧型iMacの製造を引き延ばそうとしなかったことに多少驚いた、と語った。
「なぜ、とりあえず旧型を余分に製造しないのだろうか?どこかしら不自然な感じがする」(Kay)
今回の発売延期は、iMacが新学期商戦のチャンスを逃すことを意味する。9月前後は昔から、冬の年末商戦に続いて2番目に忙しいコンピュータ商戦の時期となっている。
Creative Strategiesのアナリスト、Tim Bajarinは、Appleの収益が受ける被害の程度は、9月のいつ新モデルが出荷されるかによって決まるだろうと述べた。
「もし9月上旬に出荷できれば、それほど収益に影響は出ないだろう。だが下旬にずれ込んでしまうとたくさんの問題がでてくるかもしれない」(Bajarin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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