サンフランシスコ発--複数のプレイヤーで楽しむ「オセロ」ゲームが出来たといっても、たいした成果に思えないかもしれない。でも、Javaベースのこの携帯電話ゲームは、NokiaとSun Microsystemsが新しいモバイルソフトウェア戦略に踏み出すための、はじめの一歩になる可能性がある。
NokiaのSNAPテクノロジーに基づいてSega Mobileが開発したこのゲームは、異なるプロバイダが提供するソフトウェア同士の連動を可能にするXMLベースのWebサービスと、異なるソフトウェア同士のトランスレータとして機能する「ミドルウェア」アプリケーションの両方を利用する業界初の携帯電話プログラムだ。同ゲームは、今週、当地で開催中のJavaOneトレードショーでデビューを飾る予定だ。
これらの技術を搭載した携帯電話では、同時に複数のプログラムを起動したり、オンザフライでソフトウェアの一部をダウンロードしたりすることが可能だ。たとえば、携帯電話ゲームプレイヤーは、お気に入りのゲームの新しいシナリオを数十セントの金額でダウンロードできるようになる。また、Nokia幹部が米国時間30日にデモで示したように、IT管理者が携帯電話機の障害を遠隔地で診断し、修正用ソフトウェアを送信できるようになる。
「この新しいビジネスモデルを成功させたい」と、Nokia最高技術責任者(CTO)のPertti Korhonenは述べた。
Sunは、ゲームディストリビュータ向けのNokiaのSNAP Mobile製品を、これまでよりダイレクトに自社のワイヤレスツールキットに組み込もうとしている。NokiaのSnapはSunのJava 2 Platform Micro Edition、Wireless Toolkit、Sun Java System Content Delivery Server、Java Enterprise Systemに統合されることになっており、これにより両社は対応する開発者を増やしたい考えだ。
携帯電話用ソフトウェアをこのように細切れに販売するアプローチは、画期的だ。現在は、ゲームや着信音、その他の携帯アプリケーションを一旦ダウンロードしたら、それに何かを追加したり、アップグレードしたりすることはできない。
しかし、アナリストらは、この新しいアプローチをマスマーケットに投入する準備が整うまで、まだしばらく時間がかかると見る。NokiaやSunをはじめとするメーカー各社は、同テクノロジーのさまざまな要素を包括的に扱うJava Specification Request 232という標準規格の策定にいまだに取り組んでいる状態だ。その間、ソフトウェア開発者には、最終的な規格を推測して開発を進めるか、2005年まで開発作業の一部を遅らせるしか手立てがない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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