MicrosoftとApple Computerは、それぞれの次期オペレーティングシステム(OS)で同じ答えを探し求めている。その答えとは、散らかる一方のハードディスクに保存された情報を検索する手法の改良だ。
両社はともに情報探索機能を最優先事項としている。これは主に、ハードディスクの容量が増え続け、フォルダから必要なファイルを探し出すといった古い情報アクセス手法が限界にきているためだ。
AppleシニアバイスプレジデントのPhil Schillerは、インタビューに答え、「われわれは、これらのディスクに大量の連絡先情報、カレンダー情報、電子メールに加え、個人の写真、音楽、そしてビデオまで詰め込んでいる。見つけだしたい情報を、増え続ける多種多様なフォーマットのファイルから検索することは、ますます困難になっている」と語っている。
Appleは、Mac OS Xの次期バージョン「Tiger」では、「Spotlight」という検索エンジンを使うことで、手作業で探せない情報が見つけだせるようになる、と約束している。今週開催中のAppleのデベロッパーカンファレンスで披露されたこの技術は、来年前半の登場が予定されている。一方、Microsoftにも、検索ツールをLonghornの呼び物にする計画がある。LonghornはWindowsの次期バージョンで、早くても2006年以降デビューの予定。
GoogleやYahooなど、ウェブナビゲーションツールを開発した企業が爆発的に収益を拡大させたことを受け、デスクトップ検索に重点が置かれるようになっている。ウェブの検索エンジン各社の成功は、ますます氾濫するいっぽうのデジタル情報の中で、消費者の案内役を務める技術にスポットライトを当てた。Googleは27億ドル以上の資金調達を目指して、今年中の新規公募に向け、現在準備を進めているところだ。この金額は、自社のウェブ検索広告ビジネスの急成長に対する期待が根拠になっている。
インターネット上には膨大な利益が転がっているが、デスクトップにはそれをも上回る利益が転がっているかもしれない。MicrosoftやAppleなどのOSメーカーは、パソコン内部に保存されたファイルへのアクセスを提供できるというユニークな立場にある。デジタル写真や音楽などの個人向けアプリケーションの人気のおかげで、デスクトップでのデータストレージに対するニーズが急激に高まっているが、ソフトウェア開発者が20年近く前にファイルとフォルダというメタファーを思いついて以来、この分野の進化はほとんど停止している。そして、現在では、デスクトップナビゲーションの改良が開発者にとっての最優先事項となっている。
Jupiter Researchのアナリスト、Michael Gartenbergは、「PCの使い勝手全体の中で、検索機能は欠くことのできない部分となっている。もはや階層式のファイルシステムだけの問題ではなく、たとえどこに置こうと情報を探し出せることが重要だ」と語っている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果