Novellは30日(米国時間)、Microsoftの開発ツールを利用しているプログラマが、LinuxなどWindows以外のオペレーティングシステム(OS)用アプリケーションを開発するためのオープンソースソフトウェアをリリースした。
この「Mono Project」は、Microsoftの.Netツールの利便性を、Microsoft以外のOS用ソフトウェアの開発者にも提供することを目的としたものだ、とMonoの創立者で現在Novellの開発担当バイスプレジデントを務めるMiguel de Icazaは述べている。Novellは昨年、オープンソースソフトメーカーのXimianを買収した際にMonoの管理権を手に入れていた。
「Monoがあれば、開発者はプラットフォームの細かい部分ではなく、やりたいことに集中できるようになる」とde Icazaは述べている。
NovellはMono 1.0リリースにともない、Mono開発者向けにリソースや情報の提供を行なうウェブサイトを立ち上げた。
Mono 1.0ソフトウェアには、Microsoftが作ったC#プログラミング言語のコンパイラのほか、ウェブアプリケーション構築ツールASP.Netや、データベースアクセスツールADO.Netなど、.Netベースのアプリケーション開発を高速化するツールが含まれている。またMonoには、LinuxやUnix、Apple ComputerのOS X用の.Net「ランタイム」バージョンも含まれている。ランタイムバージョンは.Netアプリケーションを稼動させるのに必要なソフトウェアだ。
de Icazaはこのプロジェクトを3年前に開始し、C#言語や、共通言語ランタイム(CLR)などその他の主要Visual Studio .Net開発ツールに関する公開情報を利用してきた。MicrosoftはC#やそれに関連する開発技術の仕様を、標準化のためEcma Internationalに提出している。
MonoではMicrosoftのVisual Studio .Net開発ツールと同様、プログラマはC#やJava、Python、Visual Basic、Jscriptなどさまざまな言語でソフトウェアコードを記述できる。
MicrosoftはMonoのリリースよりずいぶん前の2002年に、Visual Studioの最初のバージョンをリリースした。Monoはリリース予定に遅れが生じ、今年5月にテストバージョンがリリースされた。Monoの次期バージョンでは、.Netソフトウェアの更新により密接に近づけるようになると考えている、とde Icazaは述べた。
「われわれはすでに、.Net 2.0の機能に取り組み始めている」とde Icazaは述べている。Microsoftは2005年前半リリース予定のVisual Studio 2005で.Net 2.0を提供する見込みだ。これと対照的に、Microsoft Windowsの次の大型アップグレードとなるLonghornの機能の多くは、依然として不安定だとde Icazaは言う。「Longhornには、われわれはまだ手を出していない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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