新OSこそ秘密兵器
たしかにCRS-1が製品群に加わったことは、Ciscoにとって極めて重要なことだが、CRS-1に搭載されている新しいOSは、同社にとって革命的な前進といえる。CRS-1は同OSが使用された初の製品となるが、同社は最終的にすべてのスイッチ/ルータ製品群に同OSを用いる計画だ。
Ciscoはまず新製品から新OSの搭載を始めるため、既存製品の新OSへの移行にはやや時間がかかると見られる。同社は、旧版IOSを使用した製品のサポートを今後も継続する予定で、特定の製品に搭載されている既存ソフトへの新機能の追加も続けていくと見られる。
Kammanは、「Ciscoにとっては、新型ルータよりも(それに搭載されている)ソフトの方がはるかに重要だ」と述べ、さらに「今後は、同社が他の製品に搭載されているOSを、いかに早く新版に移行させられるかが重要になる」と語った。
Ciscoが開発した最初のOSであるInternetwork Operating System(IOS)は、発売当初からCiscoの全製品の基礎を担ってきた。MicrosoftのWindows OSが大半のパソコンに搭載されているのに対し、IOSは企業やインターネットサービスプロバイダ(ISP)のネットワークにある大半のルータ/スイッチに搭載されている。長年の間にさまざまな製品や機能が導入されたため、IOSはコードの寄せ集めと化していた。その結果、バグが生じやすくなり、さらに特定のセキュリティ欠陥の一因にもなった。
「IOSはあまりに問題が多すぎる」と語るのは、Procket Networksの元主任研究員で、CiscoとJuniperの両社でも勤務経験のあるTony Liだ。「IOSは常に欠陥を抱えていた。Ciscoは1990年代初頭に欠陥を修正する機会があったが、結局行わなかった。同社は今、ゼロからのスタートを余儀なくされている」(Li)
ルーティング機能とスイッチング機能は、それぞれ別々のソフトウェアプロセスとして実行されるため、Ciscoの開発者は機能の追加や一部のコードをアップグレードする際、ソフトの他の部分への影響を心配する必要がない。その結果、顧客がルータに新機能を追加する際に発生するバグの量は大幅に減少するだろう。Ciscoがすでに開発に取り組んでいると見られるCRS-1の小型版には、この新版IOSが搭載される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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