サンとマイクロソフトの提携に期待--まずはディレクトリ構造やWebサービスか

David Becker (CNET News.com)2004年05月12日 12時03分
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 Sun MicrosystemsとMicrosoftが協力関係は、ITの世界の様相を劇的に変えることはなさそうだが、両社のシステムを統合する上での問題は少し減るはずだと、アナリストやIT専門家らは述べている。

 4月に両社が結んだ歴史的な合意は、短期的には認証・ディレクトリサービスとWebサービスという2つの分野で進展を見せる可能性が最も高い。

 また将来は、WindowsサーバとSunのSolarisサーバとの間の通信が改善しそうだ。さらに、SunのStarOffice生産性向上パッケージとMicrosoft Officeソフトウェアの互換性が高まり、Officeで作成した文書をStarOfficeで扱いやすくなるかもしれない。

 「顧客にとってメリットがあることはかなり明らかだ。これらの環境を組み合わせやすくなるだろう」とSunのソフトウェア部門最高技術責任者(CTO)John Fowlerは述べている。

 両社は「長い間非常に激しい敵対関係にあったため、われわれはこれまでMicrosoft製品との互換性を確立するのに、自社製品で多数のリバースエンジニアリングを行なわねばならなかった。今後はより直接的な方法で、製品の互換性を得られるようになる」とFowlerは付け加えた。

 一方、Microsoftのある関係者はこの件について、電子メールで同社の声明を送ってきただけだった。「4月の発表により、さまざまなレベルにおける両社間のより密接な協力関係の基礎が築かれた。ただし、さまざまな製品や標準、期待されるメリットに関して、この提携が具体的にどんな影響を与えるかについては、さまざまな顧客のユニークなニーズに関わることであり、現時点でこれを予測するのは時期尚早だ」(同声明)

最初の成果はディレクトリ構造

 SunとMicrosoftの合意では、両社が争っていた訴訟で和解するだけでなく、両社のシステム間の相互運用性を向上させるため、不特定の技術共有や特許のクロスライセンスなどを行なうことも取り決められた。

 両社はまず、WindowsクライアントがSunサーバにサインオンしてデータ共有しやすくするため、ディレクトリ構造や認証サービス、通信プロトコルに関する取り組みを進めることになるだろう、とFowlerは述べている。

 「ディレクトリや認証に関しては、現在多くのことが実現している。しかし、たとえばKerberos認証技術のより深い部分で技術協力がなされれば、プラスになるはずだ」(Fowler)

 ディレクトリに互換性を持たせることは、IT管理者らの希望リストのトップに挙げられている。SunサーバではLightweight Directory Access Protocol(LDAP)標準が採用されており、一方WindowsではActive DirectoryというMicrosoftのプロプライエタリなプロトコルが用いられている。SunのサーバがActive Directoryを利用できるようになれば、SunとMicrosoftの両方のシステムにサインオンしなければならないユーザーにとって技術的な障害が減るはずだ、とグローバルに活動を展開する法律事務所Howrey Simon Arnold & Whiteの最高情報責任者(CIO)Brian Conlonは述べている。

 「彼らが最初に専念する課題として、ID管理や認証やシングルサインオンの問題に焦点を当てていることに満足している」とConlonは述べ、「顧客が利用するサービスやポータルのアクセス制御が、単一のツールもしくはサービスだけでできるならば、厄介な問題が減ることになるだろう」と付け加えた。

 General Motorsの情報システム・サービス部門CIO、Tony Scottもこれに同意し、ディレクトリの相互運用性が向上すれば、すぐに効果が現れるだろうと述べている。

 「デスクトップではMicrosoftばかりで、(Unixシステムでは)Sun LDAPディレクトリを使っている。このため、Active DirectoryとSun LADPの統合は、1回ごとにケースバイケースで行なわねばならない」とScottは述べている。「これは、SunとMicrosoftが協力すれば、顧客はただプラグを差し込むだけで相互運用が可能になるという好例だ。両社が相互運用性の向上に成功すれば、われわれは大喜びだ。われわれはそれで浮いたコストを、新しい自動車の製造や設計に回したい」(Scott)

次の協力対象はWebサービス

 もう少し先の将来には、Webサービスが両社の技術協力の対象となる見込みだ。MicrosoftはWebベースアプリケーション生成用として、同社の.Netソフトウェアを今後も売り込んでいく。一方Sunは、Microsoftの.Netと互換性のない、Java言語を今後も推進していく。

 しかし.NetとJavaは、Web Services Interoperability Organization(WS-I)の仕様に基づき、両者がより円滑に連動するようになるだろうとFowlerは述べている。

 「われわれは、標準を共同で策定したり、製品で積極的に協力するなど、両社の互換性の壁を乗り越える方法を検討中だ。われわれは現在もライバルであり、我が社は.Netを宣伝するために協力しているのではない。だが、顧客が両社製品の混在する環境で働かねばならないことをわれわれは認識しなければならない」(Fowler)

 リサーチ会社IlluminataのアナリストGordon Haffは、SunとMicrosoftが基本的なWebサービスに関し、開発者向けツール--MicrosoftのC#と、SunのJava--では依然分裂するかもしれないが、顧客がこうしたツールで作成するアプリケーションに関しては、互換性がますます高まるだろうと述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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