ソニーは米国時間4日、米国でオンラインミュージックストアをオープンし、AppleのiTunes Music Storeが1年前から独占してきた市場に参入した。
ソニーは膨大な資源を持ち、またiPodとの競合が考えられる数多くの音楽関連機器を有するライバルであることから、同社による市場参入はデジタル音楽販売市場の勢力図を変えてしまう可能性がある。しかし同社が、ほかのどのサービスとも互換性のない新たなコピー防止技術フォーマットを利用して楽曲を販売するため、消費者にとってこの市場が複雑なものとなってしまうことも考えられる。
Sony Connectサービスは、ソニーの新世代大容量MDプレーヤのリリースとも密接に関連している。このデバイスの最新バージョンはまだ発売になっていないが、アナリストの話では、全体としてみるとMD製品はAppleのiPodのような市場の反響を得ていないという。
Jupiter Researchのアナリスト、Michael Gartenbergは「勢力範囲やブランド全体の持つ力を考えると、(ソニーには)他社とは異なる見方が必要だ。しかし、皆がオンラインで音楽を購入するようになった原動力はハードウェアであり、ソニーには、ミニディスクを越えた、AppleのiPodに対抗できる回答が必要になる」と語った。
ソニーの市場参入は、デジタル音楽の世界が家電製品といかに密接に結びついているかを浮き彫りにするものだ。そうしてまた、それが互換性のないデバイスや音楽フォーマットの乱立を生みだすことになる。音楽業界のなかには、こうした乱立が消費者の混乱を招くのではないかと懸念するものも多い。
ソニー、Apple、RealNetworks、そしてMicrosoftと提携する多数の企業は、どこも同じような価格設定の楽曲を異なるフォーマットで販売しており、また再生用のプレイヤーもさまざまなものが販売されているが、いずれも限られた数のフォーマットしかサポートしていない。
音楽会社の幹部らは、Appleをはじめとする各社に対し、さまざまなデバイスとサービスの互換性を実現するよう訴えてきたが、今のところはほとんど無駄に終わっている述べている。
販売面についていえば、ソニーはAppleと似たマーケティング力を活用して、新サービスを売り込むことも可能だ。業界関係者のなかには、昨年デジタル音楽業界を一気に確立した立役者として、宣伝上手なAppleの功績を称えるものも多い。
多くのライバルと同じく、ソニーのConnectでも1曲99セント、そして大半のアルバムを9ドル99セントで販売している。またサイトから楽曲をダウンロードするには、専用のソフトウェアが必要となる。
Sony Connectのサービス開始はUnited Airlinesと提携して行われたもので、同社のマイレージポイントで楽曲が購入できるようになっている。AppleがiTunes Music Storeを始めた際にも姿を見せた歌手のSheryl Crowは、今回シカゴ発ロサンゼルス行きの旅客機のなかで開かれたConnectの立ち上げパーティで演奏を行った。この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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