IBMは米国時間23日、ストレージ管理ソフトウェアの最新版を発表した。成長中のデータストレージソフトウェア市場でシェア拡大を狙う同社は、このアップデートでライバルにあたるEMC製のストレージ機器をサポートした。
IBMが今回発表した「SAN Volume Controller」の最新版は、今月中に発売される。同製品は複数のデータストレージ機器をひとまとめにして利用する「仮想化」用のソフトウェア。今回のバージョンアップの目的は、サポートするハードウェアとOSを拡張することで、IBMではWindows 2003、Red Hat Enterprise Linux Advanced Server 3.0、Solaris 9、VMware ESX 2.1をサポートしたと述べている。
「SAN Volume Controller version 1.2」は、Hitachi Data Systems(HDS)のハイエンド製品Lightningディスクアレイおよびミッドレンジ製品Thunderアレイの最新モデルもサポートする。同様に、EMCのミッドレンジ製品Clariionとハイエンド製品Symmetrixのストレージアレイにも対応する。
これまでの「SAN Volume Controller」は、IBM製のアレイとHDS、Hewlett-Packardの一部のストレージ製品しかサポートしていなかった。
調査会社IDCのアナリストRichard Villarsによると、IBMではさまざまな種類の機器とソフトウェアを連携させるというビジョンを掲げており、この実現のためにはEMC製品のサポートは欠かせないという。「EMCのサポートは、IBMが絶対に実現しなければならないことだった」(Villars)
今回のアップグレードにより、「顧客は互換性の問題を心配せずに、両社製ストレージハードウェア上にデータを分散して保存できるようになる」とIBMの広報担当Lisa Lansperyは電子メールのなかで述べている。
企業が既存のストレージ機器をさらに有効利用し、管理コストを削減しようとするなかで、ストレージシ管理ソフトウェアの重要性が高まっている。調査会社Gartnerが先日発表した資料によると、データのバックアップや復旧用ソフトウェアの世界全体での売上高は、2003年に7.9%増加して50億ドルに達したという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境