SCNの2003年度決算は赤字転落、会員獲得競争が響く

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年04月26日 19時54分

 インターネット接続サービスのSo-netを運営するソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は4月26日、2003年度の連結決算を発表した。会員獲得競争が激化したことでコストがかさみ、営業損益、経常損益ともに赤字に転落した。

  売上高は前年比1.6%減の381億6600万円、営業損益は同13億4200万円減となり8億7000万円の赤字、経常損益は同10億700万円減となり9億1100万円の赤字。当期純損失は赤字幅が3億9600円拡大し、4億1200万円の赤字となった。

ソニーコミュニケーションネットワーク代表取締役兼執行役員社長の山本泉二氏

  会員数は230万人で昨年とほぼ同じ。うちブロードバンド会員数は前年比31%増の55万人となっている。SCNでは光ファイバーを中心にブロードバンド会員の増加を狙っており、この販売促進費用がかさんだことが赤字転落の大きな要因となった。ただしソニーコミュニケーションネットワーク代表取締役兼執行役員社長の山本泉二氏は「2003年度は20億円程度の赤字を見込んで顧客獲得に注力した」と話しており、赤字転落はあくまでも予想の範囲内だとした。

  構造改革については、ダイヤルアップユーザー向けに共通アクセスポイントを提供し、アクセスポイントの統合化を行ったほか、カスタマーサポートの業務改善によるコスト削減を行ったことなどから、2003年には8億5000万円の経費が改善したという。

  関連会社については、売上高と営業利益がともに向上し、業績に貢献した。医療専門サイトm3.comを運営するSo-net M3が累損を解消したほか、オークションサービスのビッダーズを運営するディー・エヌ・エーは単年黒字を達成した。関連会社の売上高は合計で44億円、営業利益は合計で1億2000万円となっている。

  2004年度は会員獲得チャネルの集中と選択やオペレーション効率の改善によって経営体質を強化し、営業利益の黒字化を目指す。事業としてはVoIPのSo-netフォンや、PDA向けの接続サービスであるbitwarpなど、付加価値サービスを積極的に展開していく方針だ。また、新サービスのコミュニティサイト「Livly Island」がサービス開始から半年で会員数16万人を突破したことを紹介し、接続サービス以外のインターネット関連サービスを今後も拡大していくとしている。

  2004年度の業績目標は、売上高が400億円、営業利益が1億円、経常利益が1億円、当期純利益が5000万円。会員数は2004年度末で235万人、うちブロードバンド会員数は70万人以上を目標とする。

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