CNET News.comが入手した情報によると、Novellが長年守ってきた立場を変え、自社のLinux管理ツールにオープンソースライセンスを採用する計画だという。このツールを普及させ、またSuSE Linux製品の人気を高めることが狙いだ。
SuSEでは何年も前から、Linuxのインストールや設定・管理を行うための自社のYAST(Yet Another Setup Tool)ソフトウェアを競合製品に対する優位点の1つと考え、他社がこのソフトを自社製品に組み込むことを禁じてきた。しかし、この計画が実施されると、YASTはGeneral Public License(GPL)の下でリリースされることになると、この計画に詳しい情報筋は説明している。なお、Novellは米国時間22日から始まる同社のBrainshareカンファレンスで、この計画についての発表を行うことになっている。
Novellは、Linux自体に使われているのと同じオープンソースライセンスをYASTに適用することで、同プログラムが管理ソフトウェア大手のComputer Associates International(CA)、Hewlett-Packard(HP)、IBMなどが利用するモジュールの1つとして、幅広く採用されるようになることを期待していると、この情報筋は語った。
Novellは、主要ソフトウェア企業各社との提携で、同社のSuSE Linuxの魅力が一段と高まると期待している。また、YASTを利用する最初の管理プログラムの1つが自社のZenWorksになることも、Novellにとってはメリットだと、ある情報筋は指摘している。
Novellは1月にSuSE Linuxを2億1000万ドルで買収し、有力Linuxベンダーの仲間入りを果たした。だが、自社のプロプライエタリな製品とオープンソースソフトウェアとのバランスのどう取るかという点に関して、これまで同社はほとんど何も示唆していなかった。
ソフトウェアをオープンソース化することには、多くの目標達成に役立つ可能性がある。 たとえば、オープンソースコミュニティのご機嫌を取れたり、ソフトウェアを新しい方向に向けて拡張する社外プログラマーを獲得できたり、同一製品を有料販売する競合他社の力を削いだり、あるいはソフトウェアを急速に普及させられるなど、オープンソース化からはさまざまな可能性が考えられる。Novellの場合、YASTの広範な普及を図る、管理ソフトウェアメーカー各社を取り込む、そしてソフトウェア業界を結束させ新たな方向性++などの意図があると情報筋は説明する。
かつてIT業界の中で時代に取り残されていた管理ソフトウェアは、各社がコンピュータの管理コストを削減するための手法として、ユーティリティコンピューティングの構想を進めるなかで、ますます重要な技術になりつつある。管理コストは購入コストより高くなるのが一般的だ。NovellのYASTをめぐる動きで、ライバルのRed Hatに対する競争の圧力が高まることになる。なお、Red Hatは自社のユーティリティコンピューティングの中核技術としてRed Hat Networkを利用している。
Novellの新しいライセンスはSuSE Linux Enterprise Server 9に適用されると見られている。このサーバソフトは春の終わりから夏の初めにかけて出荷される予定だ(ただし、ダウンロード版のYASTには、これに先だって変更が加えられる可能性もある)。
なお、Novellはこの計画に関してコメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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