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民主党ディーン候補の人気と浮沈をともにした、ネットの影響力への「信仰」

Declan McCullagh(CNET News.com)2004年01月30日 21時06分
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 米大統領選で民主党の候補者指名を争うHoward Dean前バーモント州知事が、アイオワ州党員集会での敗北に続き、ニューハンプシャー州予備選挙でも次点に終わった。これを受けて、インターネットは実際にどの程度政治を変えたのか、という明白な疑問が浮上している。

 Deanはインターネットについて、自ら名付けた「史上最大の草の根運動」において欠かせない重要な要素と位置付けており、実際に自身のウェブサイトを通じて、2004年の大統領選を目指す他の民主党候補者をしのぐ選挙資金集めに成功している。

 Deanは昨年、「国民だけが、この国の建国ビジョンを実現する力を持っている」と述べ、さらに「インターネットは全てのコミュニティにおいて、それらの理想に新たな生命を吹き込む手段を我々に与えてくれる」と語った。

 しかし、その後Deanは予備選で連敗を重ね、さらに追い討ちをかけるように、最近Newsweekが行った世論調査では、John Kerry候補が全国の登録された民主党員の30%から支持を集めたという結果が出た。一方、先週行われた世論調査では、Deanの支持率はJohn EdwardsやWesley Clarkらと同率のわずか12%にまで下落し、最有力候補だった1月初旬とは程遠い結果となった。

 Deanは28日、選対最高責任者のJoe Trippiを突如更迭した。Trippiは、Deanのインターネット戦略を策定した人物として、高い評価を受けていた。

 ジョンズ・ホプキンス大学の米国政府研究センター(Center for the Study of American Government)の研究員であるAlexis Riceは、「インターネット上の最有力候補はDean」とした上で、「しかし、インターネット上の最有力候補者が、実際の選挙でも勝てるとは限らない」と語った。

 Deanの初期の予備選の結果は、政治におけるインターネットの役割についての学ぶべき潜在的教訓という観点から、すでに判断されている。Deanが選挙で勝とうが敗れようが、彼の選挙運動を見れば、彼がインターネット技術をうまく利用して、小額寄付の形で数千万ドルの選挙資金を獲得できたという十分な確証を得ることができ、すでに他の候補者も彼の手法を真似ようとしている、と政治の専門家は指摘する。

 「インターネットは選挙資金集めを行ったり、政治意識を広める上で非常に有効な手段となる可能性があり、Howard Deanはそれをうまく利用した」と語るのは、コロンビア大学ジャーナリズム大学院で教鞭を取るSreenath Sreenivasanだ。同氏は、たとえDeanの選挙運動が失敗に終わっても、この傾向は今後も続くだろう、と指摘する。

 無論、ウェブログや現金だけの問題ではない。政治戦略家たちは、インターネットの通信メカニズムがもたらす可能性に魅了されるようになった。彼らは、理論上ウェブが電話や戸別訪問による運動に代わる、票獲得の手段となり得ることを認識したのだ。

 Deanのインターネット作戦を指揮するZephyr Teachoutは、最近行われたインタビューの中で、彼女が展開する選挙運動の強みは、「Meetup.com」や、選挙運動のイベント企画サービス「Get Local」といったメカニズムを通じて、人々が互いに知り合ったり、オフラインで会合を開ける点にある、と語っている。

 Deanの成功後、ライバル候補者たちも同様の手法を採用し始めた。「Kerryは、Deanと非常に似たやり方をしている」とRiceは指摘する。「KerryはDeanの手法をそっくりそのまま真似てきた。オフラインの会合を開き、ブログや、大変優れた対話型ウェブサイトを開設した」(Rice)。

 Riceは、インターネットを駆使した選挙運動の将来性を、Deanが民主党の候補者指名を勝ち取れるか否かだけで判断すべきでない、と警告する。「1年前にはDeanの名を知る人はいなかった」とRiceは述べ、さらに「マスコミがDeanに注目したのは、Deanがインターネットを使っていたからだ・・・この理由から、今後候補者たちはDeanの手法、とりわけ選挙資金の集め方に注目するだろう」と語った。

 しかし政治評論家たちは、Deanの政治要綱や政治的メッセージを一切考慮に入れず、彼の選挙運動が単にウェブの産物であると見るのはあまりに短絡的だ、と付け加えた。

 昨年Deanが圧倒的な支持を集めた1つの理由は、彼が戦争反対の明確な態度を表明したからだ。これが、MoveOn.orgやWin Without Warなどのウェブサイトの活動家たちの見解と一致した。これらのサイトに集まる有権者たちは、戦争についてより曖昧な態度を示した民主党の他の候補者たちを敬遠した。

 ジョージワシントン大学の「政治学、民主主義、インターネット研究所(Institute for Politics, Democracy and the Internet)」の調査ディレクター、Michael Cornfieldは、自由主義活動家のグループについて言及し、「その点こそ、この話の重要部分だ」と語った。「彼らはインターネットをやめないし、候補者の研究や、ブログへの書き込み、資金提供をやめることもない。ただ、Deanを見限る可能性はある。ただ、それだけのことだ」(Cornfield)。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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