米Microsoftは、Wi-Fiネットワーク経由でパソコンへの無線アクセスを可能にするSmart Display技術を発表してから、わずか1年しか経過していないにも関わらず、このほど同開発プロジェクトの中止を決定した。
Microsoft によると、今回の中止は、LCD(液晶ディスプレイ)市場の経済状況など、現在の市況を考慮した上での決断だという。同社は発表の席で、「今後、Windows CE ベースのSmart Displayソフトウェアの開発は一切行わない」という表現は使わず、「現時点でSmart Display技術の次期バージョンの開発は行っていない」と述べるに留めた。
Smart Displayは、パッシブ型タッチスクリーン付きのコードレス液晶モニターで、無線LAN規格802.11b(Wi-Fi)に準拠した無線ネットワーク上でメインパソコンに無線接続できる。この他にも、テキスト入力用のポップアップ型ソフトキーボード(手書き入力機能もサポート)や音楽再生用の内蔵型スピーカーなどの機能を搭載する。
ドッキングユニット付きのモデルでは、パソコン、キーボード、マウスと有線接続が可能で、ポータブルディスプレイとしてだけでなく、デスクトップパソコンとしても使用できる。
Microsoftは、米ViewSonic、蘭Philips Electronics、NEC、富士通など、多くのハードウェアメーカーとSmart Displayの製造委託契約を締結している。ViewSonicは2003年初頭にSmart Display技術に基づく世界初のハードウェアを発売した。
しかし、この初期製品には、ディスプレイを取り外して使用しようとすると、メインのパソコンが使えなくなるという不具合が見つかり、ユーザーの反応も冷ややかだった。この不具合について、Microsoftはライセンスとリソースマネジメントの問題だ、と発表した。
リモートコントロールの基礎技術であるTerminal Serverの完全版には特別な保護機能が付いており、複数のユーザーが互いに干渉し合わないよう、他人のレジストリの更新やファイルの上書きができない仕組みになっているが、MicrosoftはSmart Displayソフトにはそのような機能を盛り込まなかった。
なお、Microsoftでは、今後も提携企業と協力関係を維持し、顧客のニーズに応えると同時に、開発側から見ても採算性の高い製品開発を行っていくと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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