米Apple Computerが1月6日(米国時間)から開催されるMacworld Expoで、100ドルの音楽プレーヤーを発表するとの噂が流れる中、果たしてそうした発表があるのか、またあるとすれば、それが賢明な動きであるのかについて、アナリストの意見が分かれている。
広く報じられているこの噂について、Appleでは明言を避けているが、この噂によるとAppleは音楽プレーヤー市場のローエンドをカバーする廉価版iPodを発表するという。現在この市場セグメントは、米Creative、米Rio、米Dellから出ている低価格なMP3プレーヤーの独占状態にある。
Appleが廉価版のiPodを出すとすると、好調に推移している既存のiPodの売れ行きが鈍る可能性がある。既存のiPodの価格は、10GBハードディスク付きのもので299ドル、また40GBのものが499ドルと比較的高価である。Appleの第4四半期決算(2003年9月27日締め)では、iPodの売上が前四半期比9%増、前年同期比では128%増の1億2100万ドルに達した。同社によると、iPodのビジネスは収益性が高いという。
「現時点では、Appleが既存モデルの市場を侵食し、粗利益を犠牲にしてまで100ドルのiPodを販売する必要はないと思う」と、米Technology Business Researchのアナリスト、Tim Dealは述べている。「Appleは既に市場で首位に立っているので、299ドルや399ドルのモデルが売れているときに(100ドルのモデルを出す)必要性は見いだせない」(Deal)
それでも、Appleにとって、フラッシュメモリを搭載すると予想されているローエンド向けiPodを出すことは、リスクよりもメリットの方が大きいという業界アナリストもいる。
「100ドルのモデルを投入すれば、フラッシュメモリ搭載機の市場でかなりのシェアを獲得できる」と、米eMarketerのアナリスト、Ross Rubinは述べている。「ミニiPodの噂が真実ならば、同社にとっては手頃な価格のプレーヤーにまで(iPodという)ブランドを浸透させる大きなチャンスになる。Appleはこれまで、デジタル音楽分野において価格面でリードしてきたわけではない。ハイエンドには浸透していたが、その市場はRioブランドから奪ったものだった」(Rubin)
このほか、AppleがiPodの新色あるいは交換式のカバーを発表するのではとの噂がある。また、一部のアナリストは、同社が音楽と映画の両方に対応したメディアプレーヤーを、今回のMacworldでなければ今年中にも発表するのではと推測している。米Microsoftはこのようなデバイスをつくる計画については詳細を明らかにしており、また米RCAと米Archosからは既に製品が登場している。
「今年Appleが携帯型のメディアプレーヤーを出してくるのはまず間違いないと思う」と、 米Enderle GroupのアナリストRob Enderleは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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