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米IBM:「オンデマンドコンピューティングがついに現実に」

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 企業によるITの使い方を変えようとする、米IBMの「オンデマンド」コンピューティングの取り組みが、抽象的なものから現実のものへと変わった -- 米IBMの最高経営責任者(CEO)、Sam Palmisanoは米国時間12日、講演を聴きに集まった顧客を前に発言した。だが、「オンデマンド」というアイデアの説明に、相変わらず多くのエネルギーを費やしている。

 サンフランシスコで開催されたIBM Business Leadership Forumで、Palmisanoは基調講演を行い、「1年前、オンデマンドという考えは、こういうことができるという断定的な主張に過ぎなかった。われわれは、この主張の段階から、それを採用し現実のものとする段階へと進んでいる」と、オンデマンドの取り組みを語った。Palmisanoによると、IBMそのものもオンデマンドを採用し、2003年から2004年の間に70億ドルの支出を削減できる見込みだという。

 IBMは、オンデマンドの取り組みにおいて、顧客のビジネスのコンポーネントをIBMが引き受けるアウトソーシング分野が、2004年には1500億ドル市場になり、今後5年間、毎年12〜14%で成長すると期待している。同社のBusiness Transformation Outsourcing部門の顧客リストには、米Procter&Gamble、米Hewitt Associates、米FedEx、米Lincoln Financial Groupなどが名を連ねる。

 だが、Palmisanoは、IBMが自社で進めるオンデマンド構想について、用意には説明できないときもあったこと認め、この日の基調講演ではその構想の定義を説明するのに多くの時間を費やした。「IBMのメッセージには、いくぶん欠けるところもある混乱したものだった」とPalmisanoは発言した。IBMは、企業広報や広告のなかで、このアイデアを盛んに宣伝している。

 12日に、Palmisanoは、オンデマンドの原則を採用した企業とはどのようなものかというビジョンについて、自身の考えを語った。Palmisanoのビジョンでは、顧客関係管理や発注、会計など、これまではバラバラに行われていたオペレーションが、オンデマンドを実現すると、コンピューティングインフラを共有するだけではなく、全体が緊密に統合されたものに変わるという。IBMは社内で培った技術と、米PriceWaterhouse Coopers Consultingの買収で手に入れた専門知識に支えられ、オンデマンドの目標を到達するためのハードウェアを販売するか、顧客に代わってそのような機器の運用を担当することになる。

 「自社の顧客、パートナー企業、従業員がコミュニケーションを行う際に出くわす、ギャップや継ぎ目、隙間を無くさなくてはならない」(Palmisano)

 オンデマンドコンピューティングは、ユーティリティコンピューティングというアイデアにうまく合致する。このアイデアは、顧客に対して、必要なだけのコンピューティング能力を提供し、その需要の増減に合わせた支払いができるようにするというもの。IBMのオンデマンドの取り組みは、米Hewlett-Packard(HP)のアダプティブエンタープライズ構想や、米Sun MicrosystemsのN1計画と競合している。

 だが、Palmisanoは、IBMのオンデマンドというアイデアが、ユーティリティコンピューティングと一括りにされていることに、苛立ちを覚えている。「オンデマンドでは、ユーティリティ以上のものを実現する。コンピュータ技術は単なる手段だ。その実現に使う道具がすごいのではなく、結果として実現するビジネスモデルがすごいのだ」(Palmisano)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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