米シーベル、ホスト型CRM普及で米サンと協力

 米Siebel Systemsは、同社のCRM(顧客関係管理)ソフトウェアの新しい簡易版を普及させるために、技術パートナーである米Sun Microsystemsに協力を求めた。

 Sunの広報担当、Terri Nissenによれば、Sunは自社で進めるユーティリティコンピューティングに関する取り組みの一環として、Siebelが自社の「Siebel CRM OnDemand」という新しい月額料金制のソフトウェアプログラム用にアプリケーションをホストするパートナーを見つける支援を行うという。「我々は、CRM OnDemandを普及させようとしている」(Nissen)

 今月始めにOnDemand製品を発表したSiebelは、最初のホストサービスパートナーとして米IBMを指名した。この計画に基づき、IBMは顧客に代わってアプリケーションを自社の機器でホストすることになる。Siebel関係者は、IBMとのOnDemand契約は排他的ではないと述べたが、Sunとの契約についてはコメントを避けた。「Sunとの契約に関してはまだ何も発表していない」と、この関係者は語った。今月はじめに、Siebelの最高経営責任者(CEO)、Tom Siebelは、決算報告のビデオ会議のなかで、IBMとの契約は、今後同社が提供する一連のOnDemandサービスの、最初のものになると説明していた。

 Sunは、米SchlumbergerSemaや米Affiliated Computer Servicesを含むITサービス会社と積極的に提携を進めており、これはSiebelがOnDemand流通ネットワークを拡大するうえで役に立つだろう、とNissenは説明した。Sunでは、このような協力関係を通して、法人顧客が実際の使用量に基づいてサーバ処理能力を購入することを可能にしている。このような柔軟な価格体系は、SunのN1ユーティリティコンピューティング構想の一部である。

 Nissenは、価格や両社がそれぞれの製品をバンドルするかどうかなどの、契約に関する詳細は明らかにしなかった。

 OnDemand製品の販売にあたり、販売パートナーと提携することは、Siebel側にとっては賢い選択だが、ただしリスクがないわけではない、と米Yankee GroupアナリストのSheryl Kingstoneは指摘している。まず第一に、Siebelはさまざまなパートナーが提供するサービスのレベルを一貫したものにしなければならず、また自社の製品について各パートナーに詳しい情報を提供し続ける必要がある。「これは管理が大変な、とても複雑な戦略だ」と、Kingstoneは話している。

 SiebelのOnDemand製品は、同社の従来製品のライセンス料やコンサルタント料を高すぎると思っている中小企業を対象にしている。Siebellが、ソフトウェアをホスティングサーバから提供するというビジネスモデルに挑戦するのは、このOnDemandが2度目となるが、この分野ではライバルのSalesforce.comが大成功を収めている。Siebelは以前、Sales.comという同様のサービスを提供したが、利益が上がらなかったため、2年前にこれを廃止している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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