NTTソフトウェア(NTTソフト)は3月6日、Bluetooth技術とPDA(携帯情報端末)を組み合わせた歩行者向け情報配信システムを開発したと発表した。観光客などにBluetooth搭載PDAを貸し出し、経路誘導のほか、まち情報や店舗情報などの配信といった用途を想定する。
このシステムは横浜市道路局が横浜市中区元町で行う都市情報提供システムの実験に利用する。NTTソフトでは、これまで横浜市からPDAを利用した都市情報提供システムの設計を受託し、GPSによる位置情報とPDAとを組み合わせた歩行者ナビゲーションシステムを開発してきた。しかし、屋内やビルが乱立した街中などでは位置情報が取得しづらいといった問題があった。そこで今回開発したのが、このBluetooth搭載PDAシステムだという。
同システムは、受信端末とアクセスポイント(情報配信基地局)の両方をPDAとしたこと、またアクセスポイントとなるPDAに情報配信サーバの機能を持たせたことに特徴がある。
仕組みとしてはまず、アクセスポイント兼サーバとなるPDAを街中に配置しておく。歩行者のPDA端末が、アクセスポイントPDAの電波波及範囲に到達した時点で情報をプッシュ型で配信する。この仕組みは、電波波及範囲が10メートル程度で、不特定のデバイス同士で無線通信が可能なBluetooth技術の特性を生かすことで実現したという。また「Bluetoothを使うことで、GPSによる位置情報が取得しづらい街中でも受信端末の現在地情報が測定可能となった」(同社)
従来は情報配信サーバを別途設け、アクセスポイントとLAN接続していた。しかし同システムでは、PDAがサーバとアクセスポイントを兼ねるため、事前の設備工事や特別な機器を必要としない。NTTソフトでは、「簡単にアドホックネットワークを構築でき、これまでにないサーバレスな情報配信を実現できる」と説明している。
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